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20
Nov,2015
真鍋 太一
投稿者:真鍋 太一
(プロデュース部部長)

2015年11月20日

ものさすサイトは、
社会とつながれるのか。

私たちの仕事は、社会とつながっているか。

真鍋 太一
投稿者:真鍋 太一(プロデュース部部長)

プロデュース部 部長の真鍋太一です。
このコーナーの初回は、ものさすサイトのリニューアルの話しを書きたいと思います。

私が所属する、プロデュース&デザイン部は、企業活動を通じて、デザインやアートのクリエイティブな力で、社会と共有できる価値をつくり出すことを目的に活動しています。

「私たちの仕事は、社会とつながっているか。」での連載を通じて、私たちの考え方や仕事のやり方を問い続けることで、これからの社会づくりをになう活動や仕事に、少しでも役立てていけたらと思っています。


「ひとの居場所」としてのWEBサイト

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過去に何度もリニューアルを断念していたモノサスのサイト。

構想段階で、『自分の仕事をつくる』や『ひとの居場所をつくる』の著者の西村佳哲さんに入っていただき、私もプランニング・ディレクションのような立場で関わりました。

リニューアルの方向性について代表の林と一緒に、インタビューのような西村さんとの会話を重ねた後、彼から送られてきたメールの一部を抜粋して掲載してみます。

社長ブログは情報価値が高い。
けれど、継続的に書きつづけるモチベーションの維持が難しい。
しかし自社スタッフにむけて(教育の一環として)書いてゆく形だと
継続させやすい。
という話をどこかで読みました。
 
たしかにそうだろうし、
書く側にも効用はあると思います。
 
林さんや、その他の各部門リーダーたちが持ち回りで、
めいめいの最前線の関心事や気付きを
モノサス・メンバーに伝える意図で書き、それを一般公開している。
 
要はブログだけど、たとえば見せ方としてはモノサスのサイトトップが
カレンダーになっていて、
 
例)先見日記
 
常にモノサスの最前線が表現されているような、そんな形はみなさんにとって
面白いだろうか?
 
仕事を発注する側としては、
実績と、どんな人たちがやっているのかと、
最前線(どんな方向へ向かいつつあるのか)を知りたいところだと思いますが、
神山やタイのことは、
シンボルプロジェクトとして、
うまく表現されてゆくといいのだろうなと思います。

西村さんとのプロジェクトは、気づくと、企画書などを準備してミーティングをするのではなく、特に初期の段階は、こういったメールのやり取りでお互いの思考を重ねています。この軽いけど(じつは重い)密なやりとりによって、そこにあるけどまだ見えない周りの状況を可視化していって、みんなが関わり続けられる環境を育てているように感じます。

モノサスの経営のスタイルは、ビジネス拡大のために必要な人を補充するというよりも、そこに居合わせた人の価値観を尊重し、それぞれの居場所をつくることでお互いに成長していこうとしているように思えます。

会社や組織がみんなの仕事をつくったり、それぞれの居場所をつくったりするのと同じで、モノサスのサイトそのものが「ひとの居場所」として機能していくと良いのではと、そのやりとりを通して思うようになったのです。

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私たちが大切にする、みんなの居場所のひとつ。クライアント、パートナー、社員のみんなが近所の友人の食卓に遊びに来るように集えたらと毎年、代々木の小さな社屋で行われいてる会社の周年パーティー。こんな感じの居場所にモノサスのサイトも育てていけたら。

 

かかわり続けられるかどうか。

サイトリニューアルのタイミングで「ものさす編集部」を設置しています。

編集部には、編集長がいて編集部員がいて、まだまだこれからですが、社員全員がライターという意気込みで運営し始めています。代表の林が編集長を務めるのではなく、「私がやりたいっす!」と手を上げたデザイナーの中庭が会社の業務として編集長を担当しています。

なぜこの体制を作ったのか。

これは、いくつかのプロジェクトを西村さんとご一緒し、彼から学んだ感覚ですが、社内でも社外でも「納品したら終わり」の物づくりではなく、かかわり続けることでお互いが成長できる「関係性が対になった」物づくりをしていきたいからです。

自分たちが手がけるプロジェクトが、これからの社会づくりをになう活動や仕事に、少しでも役立ってほしいと思っています。それを自分やモノサスだけじゃなく、想いを同じくする人たちと考え実践していきたくて、このサイトをリニューアルしたのかもしれません。

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monosus、モノサス、ものさす。英語、カタカナ、ひらがな。人の名前のように、会社の名前も書き方で存在感が変ります。サイトリニューアルに合わせて、サイト名を「ものさす」にしました。テーマは「愛着」。


「正直な今」を伝えていく。

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そんなやり取りを重ねた後、リニューアルの方向性として編集部員のみんな(といっても他3名)に送ったメールがあります。「こんな想いでつくって、運営しています」というのがお伝えできるかなと思ったので転記してみます。

そもそも会社のサイトって何よ?

いち企業サイトの情報なので、毎日読みに来る人は社長と一部の社員くらいだと思っています。

じゃあ毎日サイトに来てもらえるように、キュレーションメディアとか検索されて引っかかるサービスやろうよ!という話でもないと思います。

モノサスという会社を聞いて興味を持ってくれたり、モノサスで働きたい!と思った時、マーケティングやデザイン的に表現されすぎたサイトじゃなく、会社の「正直な今」を伝えるのが、これからの自分たちには大事なんじゃないかなと思います。

うまく行っていることも、悩んでることもオープンにしていく。

自分たちが困っていることから、他の会社と新しいプロジェクトが始まるかもしれない。

じっくり読んでもらって、じわじわ来る感じ。
コミュニケーションのスピードをあえて遅くする。
そんなサイトがモノサスには合ってるんじゃないかと思った次第です。
また、モノサスの「正直な今」は働く社員にとっても同じく重要。
日々、忙しい業務を抱えていると、会社全体が見えなくなってくるもの。
それを代表の言葉や他の部署のみんなの言葉で、まずは読むところから始める。

また毎日、自分たちで更新することで、学び、苦しみw、鍛えられていく。
そして社内で自分たち自身もひらかれていく。

今もこれからも、モノサスは、クライアントと仲間と
じっくり付き合っていくのです!
 

ものさすサイトが社会とつながれるかどうかはこれからの話しです。また、どこかで私たちの正直な今を、読みに来てもらえたら嬉しいです。

この投稿を書いた人

真鍋 太一

真鍋 太一(まなべ たいち)プロデュース部部長

monosus inc. プロデュース部 部長/Food Hub Project Inc. 支配人/Nomadic Kitchen 支配人。愛媛県出身。2014年3月より妻子と共に徳島県神山町に移住。社会とつながり「暮らすように働く」ことを企業の価値づくりに役立てるべく家族と友人を実験台に検証中。2016年4月より中山間地域の農業を次世代につなぐFood Hub Project Inc.を、神山町役場、神山 つなぐ公社、モノサスと共同で立ち上げ、支配人を務める。マイ・プロジェクトとして2012年より東京の料理人たちとの食の活動 Nomadic Kitchenの支配人も務める。

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