2016年11月

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月曜日の投稿

岩木 香織
投稿者:岩木 香織
(プランナー/ ディレクター)

2016年11月21日

まるごとぜんぶの自分で関わっていくこと。
神山ものさす塾、2年目からかんがえる

私たちの仕事は、社会とつながっているか。

岩木 香織
投稿者:岩木 香織(プランナー/ ディレクター)

こんにちは、プロデュース部の岩木です。

私のいまの肩書きは「神山ものさす塾・事務局」。
徳島県神山町でおこなっている、雇用型職業訓練の運営をしています。

この取り組みは、去年からスタートしたものですが、
2回目の今年は、カリキュラムの内容も事務局のメンバーも一新。
「次のモノサスが欲しい人材を育てる」プロジェクトとして始動し、
わたしも事務局として関わることになりました。

しかし、これまでとは、まったく毛色のちがう仕事……
正直、何をどうやればいいのか、わからないことだらけ。
あっちでぶつかり、こっちでつまづき、手探りで進む日々のなか、
でもそこに、いつもとちょっと違うスイッチが入った自分を感じることも。

わたしのなかで、どんな変化が起きているのか。
2年目をむかえた神山ものさす塾の日々から、お伝えしたいと思います。
 

塾生のことばに、揺さぶられる。
「私ぜんぶ」で関わっていく、そんな感覚

全国からあつまった10名が学ぶ、神山ものさす塾・第二期。
塾生たちは、山々にかこまれた徳島県神山町でともに暮らしながら、
この7月から半年間かけて、Webに関わる様々なスキルを学んでいます。

はたから見ても仲がよく、お互いに良い刺激を与えあっている塾生たち。

いい塾生が入ってくれて良かったね〜と言われることも多いのですが、
どんな基準で選考したとか、これだ!というハッキリした答えはなく…
でも今思うと、採用を進めている時から「ちょっと違う」感覚がありました。

ともに生きたい人と働く” と題された募集記事からのエントリーを経て、
最終的に 30名以上の方と面接をおこなったときのこと。

入塾スケジュール的に、お話しできるのは1人1回の面接だけ。
「◯◯部に合う人」「◯◯業務ができる人」 という選び方は違うけど、
「次のモノサスが欲しい人材となるようなスキルを学ぶ塾にぴったりな人」
なんてかんがえても、なんだかよくわからない…

結局、「あなたはだれで、どんなことを考えているの?」と、
その人自身、人となりに、どこまで近づけるだろう、という気持ちで、
時間いっぱい、必死で耳をかたむけている自分がいました。

そのときに、相手もまた、まるごとの自分で向き合おうとしてくれた人が、
結果的に、塾生として集まってくれたような気がしています。

そんな彼らと、代々木(ときどき神山)の私をつなぐのが「週報」です。

いわゆる業務報告ではなく、ザ・交換日記のテンションでやろう!というもの。
当初はフォーマットを作るつもりでしたが、間に合わず(仕事が追いつかず)
もうフリーでいいや!と思ってはじめたところ、これが、たのしいたのしい!

日々のログのように書く人、ユニークな見出しをつける人、
写真をたくさん使って、一つの記事のようにまとめてくれる人など、
それぞれのキャラクターがにじみ出た週報を前に、驚くやら嬉しいやら。
私も負けじと、一人ひとりの顔を思いうかべながら、毎週返事を書いています。


毎週かかさず送られてくる「週報」は、内容モリモリで読みごたえ充分。
印刷して保存用にまとめたファイルは、すでに5cmほどの厚さに。

授業のこと、神山での暮しのこと、出会った人々、心境の変化…
いきいきと描かれる彼らの日々の記録、その底に流れるのは、
「自分はこれから、どうやって生きていくのか」という問いです。

住みなれた場所をはなれて、それぞれの思いをもって入塾した10名。
不安、期待、驚き、喜び、迷い…彼らの言葉によって私も問いかけられ、
気がつくと、返事を書く手が止まっていることも多々あります。

じぶん自身が揺さぶられるというか……
案件の進め方とか、プロジェクトの進捗管理とか、資料の作り方とか、
いつもの仕事スイッチだけじゃ、まかないきれないような感じ。

わたしはだれで、どんなことを考えているのか。
モノサスの、プロデュース部の、事務局の…そんな枠がゆるんできて、
わたし自身で向き合う、ぜんぶで向き合わざるを得ないような感覚。

毎週 10名分の返信を、ああでもないこうでもないと必死で書きながら、
それでもそこには、これまでと異なるフツフツとした熱量があって。
彼らの在り方に、わたし自身が揺さぶられ、変化していることを感じています。
 

「その人自身」が立ち上がってくる。
点から面へ、広がっていく関係性

第二期では、Webを通して伝える力を身につけることを目指して、
前回から内容を一新して、カリキュラムを組み立てました。

コーディングに加えて、クライアントのWebサイトを運用するノウハウ、
コンテンツを作るためのライティングやインタビューのスキル(写真もすこし)。
社内の講師をはじめ、外部のさまざまなプロの方に協力してもらいながら、
授業をおこなっています。

いつもはWebを制作するスタッフが「教える側」へ。
クリエイティブディレクターやコピーライター、カメラマンの方など、
通常はクライアント案件をともに行うパートナーの方々が「講師」へ。

ここでも何か「ちょっと違う」スイッチが、
関わってくれる人々のなかに、生まれていることを感じています。


講師の方や神山へ来たモノサスメンバーを囲んで、塾生宅で開かれる食事会。
「学び」と「暮らし」の距離が近いからこその、関わり方が生まれている。

何かあったら相談にのるから、連絡して!と
飛行機の時間ギリギリまで、全力で、熱い授業をしてくださった方。

なんだか自分と同じ匂いを感じるんだよなぁ、と
飲んで語りあい、たくさんの時間を塾生と共有してくれた講師の方。

塾生が企画したイベント、見とどけたいです!と
強行スケジュールで神山を再訪してくれた、社内講師陣のメンバー。

たとえばこれが、東京だったら、授業の時間に教室にきて、
授業が終わったら帰って…それだけで終わっていたかもしれません。
神山という場所を訪れて、授業だけじゃない時間を過ごして、
ときには、塾生の家で食卓をかこんだり、さらには泊めてもらったり。

そんな時間を共有することで、
これまで見えなかった「その人自身」が、グンと立ち上がってくる。

神山は第二のふるさと!そんな台詞まで飛びだすように。
社内のメンバーどうし、モノサスとパートナーの方達との関わり方も、
仕事(点)の接点から、その人まるごと(面)へと、より広がるような、
うれしい変化が起きていることを感じています。
 

この社会で、ともに生きていく仲間として

私たちが手がけるこの連載「私たちの仕事は社会とつながっているか」。
そのコンセプトは、こんな言葉で紹介されています。

自分たちが手がけるプロジェクトの多くが、
これからの社会づくりをになう活動や仕事に、少しでも役立ってほしい。
そう想うわたしたちの働き方の一部をご紹介します。

今回、いざ記事を書こうとして「社会とつながるってどういうことだろう」
という問いが、あらためて浮かんできました。

社会という言葉は大きくて、なかなかうまく説明できませんが、
人のあつまりが社会で、人が関わって社会をつくるのだとすれば、
仕事や暮らし生き方ぜんぶ含めて、互いの接点を増やしていくことが、
社会とつながるということにも通じるのかな、という気がしています。


神山の「フードハブ・テストキッチン」で行われた懇親会。
モノサスメンバーと塾生たちが、卒塾後の接点を探しながら夜更けまで語り合った。

学びながら、生き方を見つめ直すために神山へ来た塾生たちも、
12月の卒塾にむけて「その先の道」をかんがえる時期に入りました。

彼らが、どんな道を選ぶのか。
ドキドキと見守りながら、事務局としてできるかぎりのサポートをしたいと、
あれやこれや動きまわる日々です。

モノサスでともに生きていけるのであれば、もちろん嬉しいし、
ちがう場所で、いきいきと活躍してくれることも、また嬉しい。

わたしを揺さぶり、たくさんのことを問いかけてくれる彼らの存在。
事務局の仕事をとおして、わたし自身もまた、自分の生き方や働き方を考える、
そんな半年間を過ごしているんだと思います。

彼らがすすむ道が、わたしが生きる社会の一部でもあるように、
どこであれ、この社会で生きていく者どうし、関心を寄せ合いながら、
「自分の仕事と社会とのつながり」を問い続け、生きていけるように。
できるなら、お互いがしあわせであるといいなぁと思いながら。

そんな未来をたのしみにしつつ、
今日も変わらず、あっちでぶつかり、こっちでつまづき、手探りしながら、
卒塾の日に向かって、ただただ進みつづける毎日です。

塾生たちによる「神山ものさす塾・二期生だより」はこちら

この投稿を書いた人

岩木 香織

岩木 香織(いわき かおり)プランナー/ ディレクター

モノサスに入ってなぜか方言解禁の福岡育ち。博多弁でしゃべるとリラックス。「こげん東京で働くとか思わんかったけど、みんなで笑いながら仕事しよるけん頑張れるっちゃん」な毎日です。

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