2017年01月

31

火曜日の投稿

林 隆宏
投稿者:林 隆宏
(代表取締役)

2017年01月31日

ともに社会課題を解決する仲間を、顧客としてつのる。

Open Marketing

林 隆宏
投稿者:林 隆宏(代表取締役)

みなさん、こんにちは。モノサス代表の林です。
今回で1周年を迎えた Open Marketing の連載ですが、
今年もみなさんと一緒にこれからのマーケティングを
考えてゆきたいと思っています。

前回の投稿では、

  • 人類は数千年にわたって少量生産、少量消費という顔の見える取引に慣れ親しんできた
  • 大量生産、大量消費の普及によってマーケティングという概念が直近のわずか100年ほどで拡がってきた
  • 大量生産、工業製品化されたことで情報の非対称性が発生し、マーケティングを活用してそれを埋めることで企業は商品・サービスを売ってきた
  • 一方で、インターネット、そして SNS の普及で消費者同士がつながることで、企業のマーケティング活動は、即座に評価、検証、共有されるようになった
  • 結果的に、インターネットにつながった世界中からの評価、検証に耐えられる超グローバルブランドと、擬似的にでも顔の見える範囲でコミュニティを形成しながら発展していくローカルビジネスの二極化が進むのではないか 

ということをお伝えしました。

Open Marketing は、超グローバルブランドと、ローカルビジネスのどちらにも
あてはめることができる考えかたではありますが、
後者のほうに、より親和性の高い考えであると思っています。

今回からはいよいよ、Open Marketing を自分たちの会社で実践するために
なにが必要なのかをみなさんと一緒に探ってゆきたいと思います。
 

Open Marketing に必要な考えかた

Open Merketing を実践していくうえで忘れてはならないのは、
Open Marketing は手法ではなく、考えかたやスタンスに近いものであるということです。
ほとんどすべての商品・サービスで取り入れることができると考えてはいますが、
残念ながらすべての会社が取り入れることは、難しいのではないかと思います。

では、どのような会社が取り入れることができるのかというと、
私は下記のような考えが発想の根底にある会社(チーム)なのではないかと考えます。

  • 世の中(コミュニティ)がよりよくなるための社会的な課題に対して、
  • 自らその必要性を説き、解決手段を提案し、
  • それを顧客とともに実現することを目指している

会社(チーム)であること。

こういった会社が Open Marketing の考えかたを実践することで、
より課題解決のスピードが早まってゆくのではないかと考えています。
 

世の中(コミュニティ)がよりよくなるための、
社会的な課題の解決を目指す。

商品・サービスの開発をする際に、しばしば
マーケットインプロダクトアウトという言葉が使われます。

マーケットインとは、すでに市場が存在している領域に対して
商品・サービスを提供する、市場ありきの考えかたです。
市場が顕在化している分、早期に売上の獲得が見込める一方で、
既存プレイヤーが存在するため、シェア争いに自ら身を投じることになります。

プロダクトアウトとは、市場が顕在化しているかどうかにかかわらず、
自らが提供したいと思う商品・サービスを提供する、
プロダクトありきのアプローチです。
難易度は高いですが、うまく時流をとらえた場合、新たな需要を掘り起こし、
市場を形成することができる場合があります。

これらに対して、Open Marketing では、
市場ありきでも、プロダクトありきでもなく、
社会課題ありきという考えが重要だと考えています。

自分がやりたいこと、自分がやれることを起点にビジネスを発想するのではなく、
社会やコミュニティが抱える課題や、既存の仕組みへの疑問を起点として
ビジネスを発想するというアプローチです。

例え小さな社会課題であっても、それを解決することが
少しでも世のため(もしくはコミュニティのため)になると
自分たち自身が感じている、信じていることが大切なのではないかと思います。
 

自ら解決の必要性を説き、手段を提案する。

社会課題を発見するのは、実はそんなに難しいことではありません。
普段生活をしていく中で、疑問に思うことや、解決したほうがよいと思うことは
いくらでもあるはずだからです。
地球環境問題や、少子高齢化、など現代社会が抱える課題の中で
自分自身が解決の必要性を数えるだけでも枚挙に暇がないのではないでしょうか。

また、ビジネスをする中で、自分が属する業界が抱える課題を
社会課題として捉えることもできると思います。
例えば、私たちが属するWeb制作業界では、長時間労働は業界全体に
蔓延する課題ですし、建設業界にも似た多重下請け構造など、
抱える問題はたくさんあります。

しかし、これらの課題を発見することと、
解決意義を一人称で語り、解決策を提案し、自ら手を染めることとは
全く重みが違います。

つまり、課題の解決を自らコミットするということなのです。
みなさんもご存知のように、人はいくつものことを
同時にコミットすることはできません。

自分や、自分のチームの貴重な工数と資源を投資して、
とある社会課題を自ら解決すると決めてコミットすることは、
非常に覚悟を求められることだからです。
 

顧客とともに解決することを目指す

さきほども述べたマーケットインや、プロダクトアウトの考えは、
「お金をどう生むのか」ということが発想の起点にあります。
このこと自体は企業であれば当たり前のことであり、
利益なしには企業活動を維持することも、
メンバーの生活を守ることもなし得ません。

しかし、それらを起点にすることは、
企業と顧客の関係性を、対立関係にしがちです。
自分たちの良さを主張し、顧客を集め、売り、つなぎとめる
という「する」「される」という、相対した関係性に
なってしまうのです。

英語でいうGive and Takeという利害関係によってつながる
この関係性では、真に社会課題を解決することは
難しいのではないかと考えています。

顧客と対立関係ではなく、同じ方向を向いた協調関係を つくっていくためには、顧客とともに課題を解決するという
スタンスが重要なのです。

社会課題であると考えることに対して、
自らがコミットして解決の必要性と、解決策を提示し、
同じように課題であると感じている人たちと
共有することによって顧客になってもらい、
金銭と、商品・サービスを交換することで
社会課題を解決してゆく。
そのためにの仲間(顧客)を集めるための活動が
Open Marketing であると言い換えてもよいと思います。

ともに社会課題を解決する活動に、顧客となることで
いっしょに参加してもらうのです。

今回はここまでにしたいと思います。

次回から数回は、私たちモノサスが徳島県神山町といっしょに始めた
Food Hub Project の挑戦を Open Marketing の視点から紐解いてみたいと思います。

この投稿を書いた人

林 隆宏

林 隆宏(はやし たかひろ)代表取締役

モノサスの代表。基本的に出張や打ち合わせで出ていることが多く、家庭からも会社からも「いない人」扱いをされているが、寂しがりで有名。料理をこよなく愛し、特に肉を焼くことに対して異常にモチベーションが高い。

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