2017年04月

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水曜日の投稿

村上 伊左夫
投稿者:村上 伊左夫
(品質管理部 リーダー)

2017年04月19日

「あとぜき」のすすめ

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村上 伊左夫
投稿者:村上 伊左夫(品質管理部 リーダー)

こんにちは。品質管理部の村上です。

突然ですが私の田舎の熊本には「あとぜき」という言葉があります。

意味は「ドアなどを通ったあとに閉めること」。
通った「あと」に「せき」(関)をする、「せく」(塞く)といった成り立ちなんでしょうか。
ドアを開けっ放しにしていたときに「ちゃんとあとぜき!」といって注意したり(子供の頃はよくそう言われて叱られましたが…)、ドアに「あとぜき」と張り紙をしてあったり。

熊本ではあまりにも当たり前に使っているので、県外の人に指摘されるまで「ずっと共通語だと思ってた!」という定番ともいえる言葉。

学生だったときに実際、給食のおばちゃんたちが福岡県出身の生徒に「あとぜきって何?」と聞かれて「共通語じゃなかとね?!」とびっくりする場面を見たことがあるので、少なくとも当時(20年ほど前)は結構な人がそう思っていたようです。

そもそもなぜこの言葉を出してきたかというと、
品質管理部の入っている部屋は通路にもなっているのですが、
ドアが開けっ放しになっていることがよくあります。
それで「ああ、こういうときは『あとぜき』って言っていたな」と思い出したわけです。

この言葉本来の意味からは離れますが「何かやったあとに、片付けをすること」にまで広げて考えると、いろんな場面に当てはまります。ご飯を食べたあとの食器やテーブルの片付け、靴を脱いだときに揃えること、PCを使ったあとに閉じておくこと、などなど。

どうしてこういう言葉ができたのかは不思議ですが、先人の知恵(?)を借りて、ちょっと忘れっぽいところのある私はときどき心の中で「あとぜき、あとぜき」と唱えて片付けを忘れないようにしています。

堅い話になってしまいましたが、他にもすこし熊本弁を紹介すると、

  • おひめさん … ものもらいのこと。「おひめさま」とも。
  • くる … (相手のところに)行く。いま思い返すと、他県の人と話が通じないことがあったのはこれのせいかと納得。
  • げな … ~だそうだ。福岡県などでも使われるようです。修学旅行先で鉢合わせた熊本県の人と東北のひとが「ずらげな」(ずらだってよ)、「げなずら」(げなだって)とお互いの言葉を笑っていた、という話を昔聞いたことがありますが、「ずら」は東北の言葉ではないようなので、真偽は不明。
  • つ … かさぶたのこと。「つができた」。私は今も使ってます。かさぶたという言葉自体を長いこと知らなかった。
  • とっとっと … とっている。熊本弁を紹介するときに良く使われる言い回しのひとつ。「この席とっとっと?」「とっとっと」。語尾を上げれば疑問、平坦にいうとその答えになる。「とっとーと」とも。
  • ぬし … お前。「ぬしゃなんばしよっか!」(お前何してんだ!)。これで怒られるとけっこう怖い。
  • むぞらしか … かわいい。自分の周りでは祖母が使っていたことしか記憶にない。語感から「かわいい」感じがしないのが面白い。wikiによると古語の「愛(め)づらし」から変化したものらしい。
  • やおいかん … 難しい、大変とかそういう意味らしいですが、私にはよくわからない言葉の1つ。こちらも祖母が使っていた以外聞いた覚えがない。「やおいかんばな」。語源は「軟らかく(やお)」「いかない(いかん)」らしい。

何気なく使っていた、聞いていた言葉でも、意味や成り立ちを調べてみて「そういうことだったのか」と今更ながら納得することもあって興味深いです。


熊本の実家の玄関先からの風景。帰ると自然に熊本弁が出ます。

私は県北西部の荒尾市の出身なのですが、隣の市の大牟田弁(福岡県)にも近いみたいです。大牟田市と荒尾市はともに炭鉱で栄えた街で県をまたいでつながりがあるため、言葉が近いのも頷けます。
(余談ですが、世界遺産に登録された万田坑も荒尾市にあります)

また私の場合は熊本市内にいた時期もあるため、荒尾と熊本の2つの地域の言葉が混ざってそうで、自分の言語的なルーツを探ってみるのも、面白そうですね。

この投稿を書いた人

村上 伊左夫

村上 伊左夫(むらかみ いさお)品質管理部 リーダー

オタクになろうとしていた頃にかじったHTMLを活かしてチェッカーの道へ。かつてはコーダーへ容赦無いチェックバックをしてましたが、現在はもっぱらリーダー業務に専念中。本がある空間が好き。読むのは時代小説や、近頃はホラー、ミステリーも。モノサスの図書委員もやってます。

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