2017年05月

30

火曜日の投稿

中嶋 希実
投稿者:中嶋 希実
(日本仕事百貨 ライター)

2017年05月30日

考えるべきは、時間だけ?
フルフレックスを活用して思うこと

自由と責任 〜みんなの制度と働き方実験室〜

中嶋 希実
投稿者:中嶋 希実(日本仕事百貨 ライター)

こんにちは。日本仕事百貨という求人サイトを運営している、中嶋希実です。

モノサスが社員全員の勤務体系を大きく変え、フルフレックス制度を導入してから 5 ヶ月が経とうとしています。

自分で働く時間を決められるようになると、みんなどんなことを考えて、どんなふうに働きはじめるんだろう。いいことも悪いことも、制度が変わったことによる変化を、この場をかりて紹介しています。

第 1 回目は代表の林さんから、会社と働く人たちの関係を「義務と権利」から「自由と責任」に変える理由、フルフレックス制度を導入した経緯を伺いました。

昨日紹介したコーダー2人に続いて、具体的にどんな変化があるのか話を聞かせてくれたのは、クリエイティブ部運用チームの松永さんとコーディングファクトリーの松原さんです。
 

Web制作会社ってこんなもの?

中嶋
はじめまして。おふたりは積極的に制度を活用しようとしていると伺ったのですが、まずはフルフレックスになる前までの話を聞いてみたいです。

松永
はじめまして、運用チームの松永です。モノサスに来る前はデジタルテレビ開発のテストエンジニアをしたり、アパレルの販売をしたり。船会社で働いたこともあります。

中嶋
モノサスにはいろいろな経験を持っている人が多いですよね。

松永
当時ルームシェアしていた友人の手伝いで、EC サイトをつくったことがあったんです。もともと理数系が得意で、それを活かした仕事ができないかなって思っていて。モノサスで働きはじめてから、丸 3 年が経ちました。

はじめての業界でいろいろ覚えなきゃっていうのもあって、やる気に満ち溢れてましたね。朝は 10 時に来て、定時は 19 時なんですけど、23 時に帰るっていうのがわりと普通なことになっていて。目の前の仕事を終わらせることに意識が向いていて。あんまり自分の働き方について考えることもありませんでした。

松原
私も同じ感じでした。ここに来るまでは、派遣で Web の仕事をしてきたんです。独学ではじめたこともあって、自分のやり方は正解なんだろうかって不安がありました。Webのルールをちゃんと知りたいと思ってモノサスに入社したのが、5 年前です。

制作会社に入ったのはここがはじめてだったんです。Web の制作会社って、こんな感じなのかなって。徹夜も「たまには仕方ない」と思ってましたね。

中嶋
ふたりとも朝から晩まで働いていて、嫌にならなかったんですか。

松原
当時は月に 1 度みんなでお酒を飲むイベントがあったりして、会社の中で息抜きできることも多かったんですよ。一緒に働いている人たちもみんないい人だし、プライベートと仕事の境目がなくて。いそがしいけど楽しいって思ってました。
 


リズムをつくる

中嶋
制度が変わってからは、どんな時間の使い方をしているんですか。

松永
まずやってみたいと思ったのが、家族との時間をもっとつくることです。まだ小さい子どもがいて、平日に顔を合わせるのは朝ごはんのときだけだったんです。早い時間から働いて早く帰るようにすれば、夜に子どもたちと過ごせるんじゃないかと思って。

でもやってみたら、家族からは不満が出てきたんです。

松原
え、どうして。

松永
今まで23時までかかっていた仕事量が変わるわけではないんですよ。7時に来ても、会社を出るのは結局 20 時とかで。帰るとすでに子どもたちが寝てる時間なんです。朝も夜もいないから、結局家族に負担がかかることになって。

中嶋
考えていた通りにはいかなかったんですね。

松永
今は午後から出勤するようにしてみようかと思ってるところです。どの時間が自分に合うのか、家族と会えるのかを考えながら、いろいろ試していきたいですね。

松原
私はずっと、19時が定時というのは正直遅いなと感じてたんです。でも自分ではどうにもならないことだと思っていて。自由に選べるようになってからは早く来て、18時前には帰るようにしています。

すると、仕事でもいいリズムができてきて。フルフレックス制度が導入される前から、「もくもくタイム」っていうのを自分でつくっていたんです。

中嶋
もくもくタイム、ですか。

松原
この 1 時間だけはコミュニケーションをとらずに黙々と作業しますっていう時間です。集中する時間が欲しくて、周りの人たちにも相談してはじめてみたものの、それでも電話はかかってくるし、話しかけられることもある。あんまりうまくいかなかったんです。

今は会社にあまり人がいない時間に出社するので、そこから1時間くらいは集中する時間がとれるようになりました。

中嶋
2人とも自分のリズムをつくろうとしているんですね。人によっては固定の時間ではなく、その日ごとに違う人もいると思うんです。周りを見ていて、どうですか。

松永
運用チームはお客さまとやり取りをすることが多いので、基本的には 10 時から 17 時くらいをコアタイムにしている人が多くて、それほど時間はずれていないんです。だから、そこまで困るようなことはないかな。

松原
私がいるコーディングファクトリーは、実はいろいろ課題があって。10 人ほどコーダーがいるんですけど、みんな自我が出てきたというか(笑)バラバラなんです。

私は平日の同じ時間に来て同じ時間に帰ります。人によっては平日 3 日いないとか、昨日は朝いたのに今日は夜とか、けっこう自由にやっていて。それで案件に支障が出てないから、別にかまわないんですけど。でもやっぱり顔を合わせないので、コミュニケーションがとれていないかなっていう気はしますね。

中嶋
コーディングファクトリーでは顔を合わさない分、チャットツールで連絡を取る機会が増えたという話を聞きました。

松原
コミュニケーションが減ったというか、姿を見ないので、あの人本当に働いているのかなっていう疑惑というか。スケジュールを見れば、夜に来てるんだなっていうのがわかるんですけどね。みんなどうしているんだろうって、気になるようになりました。

中嶋
小さな疑惑が重なっていくと、知らず知らずのうちに関係がぎくしゃくしてしまうようなこともあるかもしれませんね。
 

「自由と責任」

松原
前は仕事とプライベートがごちゃまぜだったんですけど、今は完全に切り離された気がしていて。自分で管理しないといけなくなると、自分でその境目を決めないといけないんです。ここで仕事は終わり、ここからプライベートっていう境目が今までよりくっきりしたというか。

松永
僕も、休みの日に仕事を気にすることがすごく減ったかもしれません。

制度を活用していると言っても、今は時間がスライドしただけなんです。今までは時間拘束の中で、できることをやっていた。そうではなくて、自分がやった仕事に対してお金をもらうっていう姿勢に変えていけたらいいなと思っています。

現実と理想はまだまだかけ離れていて。いろいろ試していきたいですね。時間だけではなくて、自分の仕事の進め方とか働き方を考えていく機会にしたいと思っています。

松原
私も含めて今はみんな、割とプライベートのほうを見てしまいがちだと思うんです。そういう意味では、みんなちょっと浮足立っている感じというか。

本来は仕事に対する取り組み方を考える制度だと思うんです。そっちも意識していけるようになりたいですね。

中嶋
たしかに、林さんが話している「自由と責任」の自由という言葉は、プライベートということだけを指しているのではないかもしれませんね。

今日はお時間をいただき、ありがとうございました。

自分で働く時間を決める。

おふたりが話してくれたように、まずはプライベートに目がいきがちですが、おのずと仕事との向き合い方も変わってくるのかもしれません。

自分や家族やお客さん、そして一緒に働く人との関係を改めて考えることもあると思います。

次回は 6 月に公開予定。次はどんな話を聞けるのか、楽しみです。

この投稿を書いた人

中嶋 希実

中嶋 希実(なかじま きみ)日本仕事百貨 ライター

1985年生まれ、茨城・取手育ち、龍ケ崎在住。川沿いの実家から50歩の家で暮らしながら、東京と茨城を行ったり来たり。生きるように働く人の仕事探し「日本仕事百貨」、いろんな生き方働き方にであう場所「リトルトーキョー」の運営。

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