2017年06月

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大藪 博幸
投稿者:大藪 博幸
(Webディレクター)

2017年06月05日

避けられない「修正依頼」。さて、どうする?

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大藪 博幸
投稿者:大藪 博幸(Webディレクター)

こんにちは、ディレクターの大藪です。
様々な制作現場でも同じかと思いますが、Web制作においてもクライアントからの修正依頼はつきものです。

とは言え、修正対応が増えると、制作側に大きな負担が掛かったり、当初の予算に収まりきらず、クライアントへの追加請求が必要になる等の事態が発生してしまいます。そのような事態を抑えたり、より良い方向に誘導することもディレクターの大切な役割の一つだと考えています。

そこで今回は、クライアントからの修正依頼に対して、ディレクターが判断して行うべきことを、修正対応のタイプ別にお話したいと思います。
 

修正依頼への対応は、大きくわけて3つある

実は、駆け出しのディレクターだった頃の自分は、クライアントからの修正指示は絶対で、すべて対応することが当たり前だと思っていました。しかし、ただ単純にすべて受け入れるだけでは、プロジェクトがうまくいかないこともあると、様々な案件を経験するなかで考えるようになりました。

なぜ、修正が必要なのか。
クライアントからの依頼に対して、どのように判断するべきなのか。
制作側の「フィルター」を通して一つ一つ対応方法を考えていくことが、プロジェクトをより良い方向に導くためにも、とても重要だと思っています。

それでは、大きく分けて3パターンの修正対応について、具体的な事例をもとに説明したいと思います。
 

1. クライアントの指示通りに修正を行う

まずはじめに、一番基本的な「クライアントの指示通りに修正を行う」場合です。

例えば、クライアントから「ここを◯◯色に変えて欲しい」というデザインの修正依頼がきた場合、まずクライアントの修正意図を明確にすることから始めます。

クライアントに修正意図を確認したところ、

  • もともと提案した色がクライアントの企業カラー的にNGだった。
  • クライアントの好みじゃなかった。

ということでした。

その意図を踏まえて、デザイナーと「全体のデザインルール」など問題ないか相談しつつ、修正工数やスケジュールを確認して対応を行います。

一見、単純なやり取りですが、始めにクライアントの意図を明確にしないままに進めると、単なる「作業」に終わってしまいます。
しかし、その背後にある意図を理解しておくことで、どのように修正を行えばよいか方向性も明確になりますし、同様の修正が必要なページに気づいたり、さらには公開後の運用や更新の際にも適切な提案をスムーズに行うことが可能になります。

また、コミュニケーションをしっかり取ってクライアントの意図を理解しておくことは、その後のやり取りをスムーズにすることにも繋がります。
 

2. 代替案を提案する

次に、「クライアントからの修正依頼に対して代替案を提案する」場合です。

クライアントはWebの専門家ではないため、スケジュール的に厳しいものや、技術的に対応が困難なもの、またWebサイトの見せ方として適切でないことなども、依頼されることがあります。

クライアントからの修正依頼が対応困難な場合でも、単純に「できない」と決めてしまわず、代替案はないか検討することが必要です。また、始めに修正の意図をしっかりくみ取ることで、時には代替案がより良い成果に繋がることもあります。

以前、クライアントから「お問い合わせフォームの機能をもっと充実させたい」という依頼があった時のことです。依頼資料を見ると、フォームの入力項目が複雑で、JavaScriptなど難易度の高い実装が必要な内容となっていて、予算的にもスケジュール的にも難しい状況でした。

そこで、そもそも「クライアントが実現したいことは何なのか」をくみ取って、お問い合わせフォームの項目を整理して見せ方を変えることで解決したことがあります。

結果、「この形の方が、お問い合わせ内容の管理も複雑にならず運用しやすそう」とクライアントにも喜んでいただき、無事予定通りプロジェクトを完了することができました。

ここで重要なのは、クライアントからの依頼そのものが、制作側から見て本当に正しい対応方法であるか考えることです。クライアントの意図をくみ取り、正しい対応方法は何か、ディレクターがしっかり検討することが必要です。
 

3. 修正対応を行わない

最後は、「修正依頼があり、スケジュール的にも予算的にも問題なさそうだが、今のままのほうが良いと再提案する」場合です。

こちらも経験談ですが、あるプラグインを実装後に、クライアントからこんな修正依頼がきました。

「実装してもらったプラグインが使いにくそうだから、別の見せ方に変えて欲しい。」

しかし、制作側としては現状の見せ方が最適と考えており、また、公開後の運用時に更新しやすいコンテンツとして提案していたため、「このままが良いです」ということをクライアントに再提案すべきだと判断しました。

そこで、以下のように再提案を行いました。

  • 同じような見せ方をしている別サイトを参考として提示し、現状の見せ方が一般的なものであることを伝える。
  • 現状のままの運用方法と、見せ方を変えた場合の運用方法について説明し、運用のリスクについて比較してもらう。

その結果、クライアントが特に懸念していた運用方法について「むしろ現状案のほうが運用しやすいんですね」と納得していただき、もともと提案した内容で進めることができました。

このように、修正依頼がきた時には「なぜ現状の提案を行っているのか」専門家としての意図や理由を伝え、クライアントを説得することも時には必要です。


 

適切な修正対応で、より良いゴールへ

今回は3つのパターンについてご説明しましたが、もちろんこれが全てではないと思っています。実際、クライアントにとって最適だと判断すれば、スケジュールを変更して、追加のご請求も相談した上で、大きな修正対応を行うこともあります。

案件は一つ一つ状況が異なるので、決まりきったパターンはありませんが、ディレクターの基本的な考え方として、今回お話しさせていただいたポイントを心がけています。

クライアントから修正の意図を確認する。
クライアントからの依頼に対して他の良い案はないか考える。
提案したものの意図や理由を伝えクライアントに納得してもらう。

正直、「修正対応」は制作側にとって少し重たい気分になるものです。
しかし、「プロジェクトをより良い方向に向かわせるもの」と考えることもできます。

依頼された内容をただ受け入れるのでなく、それをきっかけに、クライアントとコミュニケーションを取って、ゴールをしっかり共有できるように。案件を導くディレクターとして、より良い対応を心がけていきたいと思っています。

この投稿を書いた人

大藪 博幸

大藪 博幸(おおやぶ ひろゆき)Webディレクター

旅好き、犬好き、ゲーム好き。 長期のヨーロッパ滞在経験を経て、現在は専ら”おっさん化”を続けながらWEBディレクターを務める。 いつか、地球に生まれてよかったー!と叫びたくなるような、大スペクタクルな旅に出かけたいと思っている。

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