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Aug,2017
降旗 ゆかり
投稿者:降旗 ゆかり
(営業サポート)

2017年08月04日

寄り道して蕎麦屋をみつける
~千駄ヶ谷 滝乃家~

代々木散策マップ

降旗 ゆかり
投稿者:降旗 ゆかり(営業サポート)

代々木駅の西口、山手線の高架をくぐりドコモタワーのふもとを通って明治通りまで出る。左に進むと新宿駅、右手は北参道、原宿方面である。普段駅の反対側に来ることはめったにないのだが、前々からチェックしていた店があり、編集部の大村(通称おむさん)を誘って行ってみることにしたのだ。

明治通り沿いにある目的の店まで来た。外のランチメニューを読みながら、ふと通りの向こうに目をやると、白いのぼりが目に入った。白地に墨文字で”俺乃家”、と読める。
「あそこ、”おれのいえ”って書いてありますよね?面白そうなんで、みるだけ見にいっていいですか?」
おむさんを振り返ると、もちろんどうぞ!とニッコリしてくれた。

ちょっとだけ、のつもりで寄り道。
遠くからでも気になる看板はチェックしにいくと、思わぬお店を発掘できたりする。はたして"俺乃家"とは何の店か。最近増えてる「俺の◯◯」系の店? あるいはいい感じの定食屋だったらいいな…と勝手に期待をふくらませ、通りを渡って、あ。と、気づいた。「俺」じゃなくて「滝」だ…。つまり「俺乃家」ではなく「滝乃家」なのだった。

「おれのいえw」と盛り上がっていたのは私だけで、どうやらおむさんには最初から「滝」に見えていたらしい。かなり恥ずかしい。ともあれ「滝乃家」は蕎麦屋と判明。コンクリート打ちっぱなしの外壁に、飛び石が続き、えんじ色の暖簾がかかっている。なかなか良い感じに思えた。

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これが遠目には俺乃家に見えたわけで。

太陽ギラギラの白昼、代々木三丁目からここまで歩いてきて暑さも限界だ。静かでひんやりした店内でもり蕎麦…という図が脳裏に浮かんでくる。すぐに「お蕎麦いいですね!」と意見は一致し、寄り道から偶然出会った蕎麦屋に入ってみることになった。
 

滝乃家・昼

私たちが入ってきた明治通り沿いの入り口は、店内を見通せない隠れ家風の作りだったが、店に入ってみると逆側に、もうひとつ入り口があった。こちらが正面のようだ。
店内は全体にゆったりとしている。テーブル席とカウンターをぐるっと囲む席があって、1人で来た時はカウンター席が落ち着きそうだ。

私たちは窓際のテーブル席に着いた。
創業六十年 千駄ヶ谷滝乃家、との文字がメニューに印刷されている。そうか、60年も続くお蕎麦屋さんだったのか。そんな歴史のある店名を「俺乃家」に見間違えてしまうとは、本当に失礼しました。神妙な気持ちでメニューをめくる。
「冷たいそば」の中の、”小海老も入ってさっぱりと”と添えられた文句に惹かれ、私はおろしそばに決めた。おむさんは鴨せいろを選択。

注文を終えさらにメニューを見ていく。一品料理のページには、かまぼこ、厚焼き玉子、鳥わさ、かつ煮、鴨焼き、天ぷらなど、蕎麦屋の王道的おつまみが並ぶ。この中からいくつか頼んでお酒もちょっと飲んで〆にお蕎麦、いい!などと二人で蕎麦屋呑みに想いをはせる。

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こちらは鴨せいろ。

朱塗りのせいろにのって、色白の細打ち蕎麦が出てきた。二八蕎麦とのこと。大根おろしがたっぷり入った器につゆを注いで、つるつるっとすすっていく。おいしい。鴨せいろを食べるおむさんもまたニッコリ。二人とも休まず食べ続け、最後に蕎麦湯で一息つく。
数年前まで蕎麦にまったく興味が無かったが、最近はときどき無性に蕎麦が食べたくなることがある。やっと蕎麦の良さがわかる大人になれたのだろうか。
さて、食べ終えたらだらだら居座らずにお勘定だ。さっと食べてさっと帰る、江戸の町人気分で店を後にした。

この日はさらにもうひとつ寄り道をした。滝乃家の斜め向かいに、昭和の駄菓子屋のような店がポツンと建っている。蕎麦を食べているときから、あそこに何かあるね、と気になっていた。その店は「モサクロ商店」という名前で、全国の特産品をセレクトして置いているのだそうだ。駄菓子屋ではなかったけれど、冷凍ケースに奄美のバナナアイスキャンデーというのを見つけて、思わず買ってしまった。
再び炎天下の明治通りへ出る。みるみる溶けだすアイスキャンデーをお供に、どうにかモノサスに戻った私たちであった。
 

後日。滝乃家・夜

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鳥わさをつまみに瓶ビール。大人の世界

数日後の夜、モノサスの広島コンビ(おむさんと羽賀っち)と一緒に滝乃家を再訪問。
閉店時間が近かったせいか、客は他に1人だけ。さっそくビールと冷酒を注文。冷酒は真ん中に氷の入ったガラスのちろりに入ってくる。一品料理から厚焼き玉子、鳥わさ、小海老の天ぷらをチョイス。お蕎麦屋さんがつくる分厚くてちょっと甘い玉子焼きは絶対頼みたくなる一品。

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熱々の玉子焼き!

鳥わさも天ぷらも作りたてが出てきて、おいしかった。品数は多くないのだが、蕎麦屋らしい料理がちゃんとそろっている。〆の蕎麦は鴨せいろと、「季節の蕎麦」から冷やしなすと冷やし豚しゃぶ。食べ終わるころ、ちょうど閉店の時間になった。滞在1時間弱ではあったが、念願の蕎麦屋呑みを堪能した。

外に出ると昼間の暑さが嘘のように、涼しくて気持ちのいい風が吹いている。すぐに電車に乗るのは勿体無い気がして、そのまま新宿駅までぶらぶら歩いていくことにした。新宿駅の近くなのに人通りはまばら、道は広々。いい気分で駅まで歩き、ほんとうの〆に温かいコーヒーを飲んで解散した。ゆったりとしたいい夜だった。

モノサスから行くと確かに遠い。しかし代々木駅からは5分、新宿駅も歩いて10分ほど。
滝乃家は、仕事終わりに軽く飲んで蕎麦でも食べていかない?という感じでさっと行くのが似合う店である。

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千駄ヶ谷 滝乃家
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-15-12
TEL 03-3354-3315
営業時間
11:00-21:00(平日)/11:00-15:00(土)
定休日:日祝

この投稿を書いた人

降旗 ゆかり

降旗 ゆかり(ふりはた ゆかり)営業サポート

普段は営業の業務支援をしています。趣味はGoogleマップ散歩、リアル散歩、銭湯、ときどきビール。毎日のコーヒーとチョコレートは欠かせない。東京暮らしがすっかり長くなった長野県生まれ。

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