2017年05月

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ものさす編集部
投稿者:ものさす編集部

2017年05月01日

つながった人たちの幸せを本気(マジ)で思っているからこその 「アイデア」と「人つなげ」
~interview 花輪昭宏さん(株式会社フォークエスト)~

めぐるモノサシ

ものさす編集部
投稿者:ものさす編集部

今回の「めぐるモノサシ」に登場していただくのは、株式会社フォークエストの代表取締役花輪昭宏(はなわあきひろ)さんです。
モノサスの林とは、2009年のフォークエスト創業以前からのつながりで、出会ったときから達人級の営業マンだったとか。そして、マーケティング部の坂本にとっては営業の師匠と言える存在なのだと言います。


花輪さん(右)と、インタビュアーの坂本(左)

花輪さんプロフィール
1971年生まれ、栃木県足利市生まれで横浜在住。 広告代理店での経験、そして雑誌連動Web通販の経験を活かし2009年からWeb支援会社のフォークエストに参加。お客さまにとって良いものであれば提案範囲は限定しないのを信条とし日々活動中。


失礼なことを言っても受け入れられるのは、
本気で相手のことを考えた言葉だから

花輪 さん(以下、敬称略) 
モノサスとのつながりかぁ……。人間の関係性は深いけど、案件でのつながりを考えると最近は薄いよね(笑)。

坂本 
フォークエストを設立する前に勤めていた会社の案件で、弊社の林と出会ったんですよね?

花輪 
そうそう。ただ、印象的なのは、その後にうちの社員と林さんが結婚したこと。だから、どっかでモノサスは親戚みたいな感覚があるんだよね。

でも、フォークエストの初期はモノサスとたくさん仕事をしていたんだよ。というのも、8年前にうちの会社ができたとき、仕事は取ってきたけれど、サイトを作ってくれる人がいないという状況があって。案件を決めては、『モノサスさんよろしくお願いします』と制作をお願いしていました。

そんな関係が2年半くらい続いたのかな。大変な時期を支えてくれたのが、モノサスであり、林さん。それまで僕は広告代理店の営業マンであり、Web通販事業の責任者であったので、Web制作の知識があまりなかった。だから、『サイトの作り方とは?』『Webマーケティングの考え方って?』という基本的なことをずいぶん林さんに教えてもらいました。

年下なんだけど、尊敬できる面がたくさんあって、影響を受けていると思う。

坂本 
正直、その後のお付き合いの印象が濃すぎて、僕は花輪さんと初めて会ったときのことをあまり覚えてないんですが……。

花輪 
モノサスで営業の仕事を始めたばかりのさかもっちゃん(坂本)と一緒に取引先へ行くこともあって、そのときじゃないかな。誕生日が同じという強烈な共通点があって仲良くなったんだよね。

坂本 
誕生日が同じなのには本当に不思議な縁を感じますよね。自分の誕生日が来る度に絶対、花輪さんのことを思い出しますもん。

花輪 
そうだね。

坂本 
当時、僕は林から「花輪さんっていうすごい人がいるから、見習え」と言われていたんですよ。それで実際に花輪さんの仕事の仕方を見たとき、本当に楽しんで営業をしていて。素直に自分も真似したいと思ったのを覚えています。
その営業力はどうやって磨いたんですか?

花輪 
営業ってなんだろう……? と考えると、自分の中ではあまり難しくなくて。“お客さま側に立っていることでいい営業になれる”と思っている。僕はけっこうおしゃべりなので失礼なことも言っていて、本当にお客さんにとって意味がない施策だと思ってしまうと『意味がないですね』とも伝えてしまう。でもちゃんとお客さんの幸せを思っての言葉なら、受け入れられるだろうと思う。

坂本 
たしかに、花輪さんはビシビシ言いますよね。最初、僕は営業って腰を低くしなくちゃできない大変な仕事だと思っていたんで、びっくりしました。
「意味ないですね」とか、しっかり主張をしながらもお客さんと関係性を作っていくやり方を見て、自分も営業をやりたいなと思ったくらいで。すごい影響を受けています。

花輪 
僕も最初は営業につらいイメージを持っていたよ。営業先で会う人たちは、みんな鬼のような顔で「なんだてめぇ、なにしにきた、この野郎」と待っていると思っていたから。でも、営業をはじめて会ってみると、みんなやさしいんだよね。
怖いと言われている人も、相手のことを思って話していると、打ち解けてくるし、そもそも笑わない人はいないからね。


考えているのは「ユーザーに喜んでもらうことだけ」
衝撃のキャッチコピーを生む思考法とは

坂本 
あと、花輪さん、営業だけじゃなくて商品のコピーも書くじゃないですか。

花輪 
書くね。

坂本 
あれ、おもしろかったですよ。「おまえはもう買っている!」。

花輪 
通販サイトのメルマガのキャッチコピーに書いたヤツね。

坂本 
あれも衝撃的でしたけど、ダウンジャケットのコピーもありましたよね。ぱんぱん……。

花輪 
あ、「そのダウン、パンパン」ね(笑)。通常、メインコピーを書くライターさんがいて、いろいろ考えているわけ。ふさわしい理由を。でも、俺はユーザーがおもしろいと思うことしか考えられないから。
「パンパンダウン」とか、「オマエはもう買っている!」とかで、笑ってくれたらいい。こういうコピーを会議や打ち合わせでお客さんに見せると、「うーん……」って顔をすることも当然あるけど、そこで、「ユーザーが喜びますよ」と言うと、ふざけているわけではないとわかってもらえるし、案外、「伝わるよね」と受け入れてくれるんだよね。

坂本 
そういう考え方も、キャッチコピーの書き方も影響受けました。特に企画書に入れる、「そこで、花輪は考えました!」的なツカミの一文とか。「そこで、坂本は考えました」って、まんま使っています。

花輪 
鉄拳さんがやっている紙芝居みたいなもんだよね。世の中って難しくないから。みんな難しい顔をしているけど、おもしろかったら笑ってくれるし、意表を突いたら喜んでくれるから。

坂本 
一時期、僕、事あるごとフォークエストに来ていましたもんね。花輪さんと仲良くなりたくて。Wi-Fiのゲストアカウントを作ってもらって、お昼をここで食べながら仕事して。

花輪 
さかもっちゃんは、どこにでも飛び込んでいけるコミュニケーション能力があって、本当は人見知りな僕と比べればよっぽど営業向きだなと思うよ。


卒業文集に書いた将来の夢は「公務員」
社長にだけはなるまいと思っていた

坂本 
今日、ものさす編集部のメンバーとはほとんど初対面だと思うんですけど、花輪さんはすごくフランクで、笑わせて、和ませようとしてくれるじゃないですか。そのスタイルって、学生時代から変わってないんですか?

花輪 
おしゃべりは昔からだし、みんなに笑ってもらいたいと思う感覚は変わってないと思う。ただ、僕が小6のときの卒業文集に書いた将来の夢は、“公務員”だから。本気で、一生安定したいと思っていたんだよ。

坂本 
えええ!

花輪 
なぜかと言うと、うちの親父も会社をやっていたから。花輪木工という木工業の会社の社長だったんだよね。で、儲かっていないわけではなかったと思うけど、大変そうでね。
景気のいいときは、『旅行、行くぞ!』と豪快で、やばいぞという雰囲気のときは家が暗くなる。大口の取引先が倒産したときには連鎖倒産も経験して、それまで田舎の小坊っちゃんみたいな暮らしだったのが、暗転してね。社長って大変だな。浮沈ぶりが怖いなと刷り込まれたんだよ。
だから、将来の夢が、公務員。社長にだけはなるまいと思っていた。

坂本 
安定志向だったんですか?

花輪 
大学卒業後の就職活動も、その後の転職活動も安定志向だった。それがさかもっちゃんたちと知り合った当時に勤めていた会社が解散したんだよ。それで、自分の部の人たちが離れ離れになっていくのがもったいないなという気持ちがあって。
00年前半にECサイトの企画・開発・構築・PRを一貫して行った経験を共有していたチームだったからさ。そして、このタイミングで生まれた会社がフォークエスト。

坂本 
それで社長に。

花輪 
なるつもりはなかったのに、結果的に社長になってしまったという。実際、会社をやるのは大変だし、給料をもらっている方が楽だなと思うよ。でも、社会に対して生きている実感や生きる意味はより感じられるようになった。
さかもっちゃん、生きている実感、感じている? まあ、感じるよね。生きているからね(笑)。

坂本 
(笑)。そこから8年ですか。

花輪 
8年間で自分の変わった点は……と考えると、物事を作るのに1人でできることはわずかだなと実感したことかな。
僕は広告代理店の営業マンとして、お客さんのためにメディアプランを売っていた。扱っていたのはテレビの枠や新聞の枠で、パッケージされているもので。それを自分の力で売ってきたと思っていたし、人の用意したものを売ることのつまらなさも感じていたわけ。
それでも売れるのは、自分には売るコツが備わってきたのだろう。売るものと売る能力を組み合わせれば、どこでもやっていけるんだろうな、世の中ってけっこう簡単なのかも……と思っていたの。

坂本 
なるほど。

花輪 
でも、会社を始めると違っていた。営業して案件を取ってきても、作る人がいない。お客さんは幸せにならない。自分の能力は物事を作る全体のほんの一部で、周りの人の力がかさなって、やっと物事が生まれるんだな、と。
今まで出会った人たちの大切さを身にしみて感じました。
テレビを見ていると、『この人は「◯◯」というサービスを開発した人です』と紹介される人がいるでしょう。

坂本 
はい。

花輪 
そういう番組を見ていると、“俺ってこの人と比べると何もできていない”と思うわけ。でも、本当はその人の周りにはたくさんの助けてくれる人がいて、その人の考えやアイデアに沿って動いてくれたはず。周りの人の協力があって初めて「◯◯」というサービスを開発することが成り立っているんだよね。
自分ひとりでできる領域って、わずか。当たり前のことかもしれないけど、日々強く感じるようになった。


お客さんを幸せにするうえで、
ヤンキー漫画から学んだこと

坂本 
改めて、フォークエストの業務領域を紹介してもらえますか?

花輪 
Webマーケティングと制作の2つが柱になっているんだけど、最も大切にしているのは、縁あってお付き合いしているお客さんと一緒に幸せになっていくこと。自分と会ったお客さんが幸せにならないと、仕事って続くわけないと思っています。
僕らの強みは、お客さまを本気で好きになるところ、そして身につけた解析力と提案力、実現するための行動力だと思っています。少し熱量が多いし、思いつきも多い会社だけど、つながった人たちの幸せのお手伝いをしたいと本気で思っています。

坂本 
「熱さ」、「熱量」、「幸せ」ってキーワードですよね。

花輪 
今日みたいな機会に話しながら振り返ってみると、僕もいろんなものに影響を受けているよね。林さんの考え方もそうだし、人に聞き、本やテレビから見聞きしたマーケティング的な知識もそう。あとは漫画もね。特にヤンキー漫画って学ぶところあるでしょう。

坂本 
ヤンキー漫画ですか。


森田まさのり著『ろくでなしBLUES(1,2,5巻)』集英社ジャンプコミックス 1989年

花輪 
うん。根性と人情。人を大事にすること。負けるとわかっているのに、みんなで飛び込んでいく姿勢も。仕事をしているとき、そういう熱さって参考になるでしょう。
自分が好きだなと思う人って、少なからず熱い面を持っているから。そういう人たちが影響を与えてくれて、今の自分ができているんだなと感じるね。

坂本 
熱い面があるってわかる気がします。この先のフォークエストが目指す先ってどんなふうに考えていますか?

花輪 
じつは個人的な夢ってあんまりないんだよね。

坂本 
意外です。

花輪 
この先の夢があるとしたら、これからもお客さんとずっと一緒に成長すること。この8年のフォークエストで誇らしいと思うのは、一案件だけのお付き合いのお客さんが少ないこと。毎月のコンサルティング、毎月の制作など、継続する運用案件がほとんどで。これって、お客さんと共に豊かな関係でいないと続かない話だから。
で、お客さんが僕らを選んで付き合ってくれているのも、本気で考えたアイデアや人つなげ力も評価してくれてのことだと思う。

坂本 
人つなげ?

花輪 
僕ね、自分の知っているところは全部つなげちゃおうとしているから。A社、B社、C社、D社とあって、A社とD社が合うと思ったら、何も考えずにつなげるために動いちゃう。企業の中の人は、社員として別の会社に交渉に行くのが難しいケースもあるから。

でも、本当はどの会社も考え方や理念がイコールだったら、つながりたいはずで。何より実現したらとても面白いと思うから。
僕は自分が理念を持つというより、人の理念に賛同できるタイプで。人の理念だと、単純に『いいな』と思えるので、理念が共通している会社の橋渡しは武器の一つとも思っているのでこれからもやっていきたい。


自分が出会っている人と、これから出会う人
人と人をつなげれば、もっといい世の中になる

坂本 
今日、最初に「まるで親戚の会社のみたいに思っている」と言ってくれたじゃないですか。今のモノサスって花輪さんからどう見ていますか?

花輪 
Webの制作会社という切り口で言うと、うちとモノサスは近いよね。いくらがんばっても、激しく売上は伸びない。これはね、受託産業だから。一方、ネットでいっぱい儲かっているのは、システムを介して、なるべく多くの客を簡単なプラットフォームに集め、動かしているところ。
これが儲かるのは百も承知だけど、そうではなくて、お客さんと一緒に育っていきたい。受託産業は簡単には伸びていなかいけど、この仕事は楽しいよね。さっきの言葉で言うと、生きている実感を感じやすいから。
1つの案件に対して、本気でやって、やって、やったから、また次の注文がもらえる。そこでともに成長したからこそ、お互いに伸びてきたという感覚を肌で感じられる。いい仕事だよね。

坂本 
わかります。

花輪 
まあ、経営の安定みたいなことを考えると、一発欲しいなと思うこともあるけど。でも、その考え方で掴んだお金がイージーマネーだとしたら、お客さんの要望に答えようとして真剣に取り組んで受け取った対価ってかけがえないお金。そういう意味で言うと、林さんの言っている“ともはた”には共感する。
モノサスは人数が8人、9人という人数で始まって、今は70人? 80人? 景気のいい感じで増えているけど、やっていることの根っこは“お客さんのために”で変わっていないと思う。こういう会社ががんばっているのを見ると、Webの未来はまだまだあるなって。うちも含めて(笑)。

坂本 
ありがとうございます。

花輪 
あとさ、最後に“めぐるモノサシ”ってタイトルにからめて言うと、個人でも、会社でもそうだなんだけど、自分の目の前や横にいる人を幸せにしようと全力で動けば、もっともっといい世の中になるはずなんだよね。
自分が出会っている人と、これから出会う人をつなげるだけで、いろんな人が喜んでくれるから。僕も続けていくし、モノサスの人たちにも続けてもらいたいなと思っています。


インタビューを終えて

いつもユーモアにあふれ、まわりを和ませてくれる花輪さん。その裏には、とても真面目で紳士的な、熱い想いを持った方なのだとインタビューをとおして知ることができました。昔から親しくさせていただいている坂本も、思わず熱い想いを花輪さんにお伝えし、気持ちが通い合うような(とこちら側は思っている)シーンもありました。

最後にインタビューを終えた坂本より、花輪さんへのメッセージをお伝えして締めくくろうかと思います。

いつが初対面だったか、もうあまり覚えていないんですが、
花輪さんは、当時考えていた「営業」の人物像とはかけ離れていて、
こんな営業の人がいるんだ、という衝撃を受けたことを覚えています。

その後、花輪さんの考え方、行動を学びたい、と思っていたかは覚えていませんが、
一緒にいることが楽しくて、なにかにつけて花輪さんの近くにくっついていた気がします。

私の人生において、花輪さんという存在の衝撃と影響は大きく、
もし花輪さんに会えていなかったら、「営業」という仕事を選んでいなかったかもしれません。

今日は、普段あまり語らない、花輪さんの考え方の根っこ、背景をまた少し知れた気がします。
またゆっくりお話聞かせてください。
そして、久しぶりに飲みに連れていってください(笑)

坂本 靖夫

この投稿を書いた人

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