Fri.
24
Mar,2017
上原 健
投稿者:上原 健
(ディレクター)

2017年03月24日

テクノロジーで地域の可能性をハックしよう。
~ モノサスが Field Hack に参画する上で今感じていること。~

私たちの仕事は、社会とつながっているか。

上原 健
投稿者:上原 健(ディレクター)

次回のField Hackは、初めての西日本、京都府与謝野町にて開催することになりました!そして、これまでは運営として主に関わってきましたが、Field Hack 第 3 回よりモノサスは主催組織として加わることになりました。

立ち上げ時から関わらさせていただき、これからは Field Hack 主担当となるプロデュース部上原より、今回、なぜ主催として関わるのか、そしてどんなイベントにしていきたいのかについて書きたいと思います。


Field Hack 第 3 回 Field Hack YOSANO は、現在事前エントリー中 <http://www.field-hack.com/デザインは、我らがモノサスデザインチーム 今井先生が担当。
 

まずは、Field Hack ってなんだっけ ? から。

Field Hack は、プロトタイプ開発に必要なスキル(エンジニアリング、デザイン、プロジェクトマネジメント)をもつ方々で構成されるチームが、地域で設けられるテーマにテクノロジーで挑む!というイベント。

このイベントの特徴としては、参加者が実際に地域に足を運ぶということと、参加者がリスク低く取り組めるということだと思います。
 

地域に足を運ぶこと

地域には地域に適したテクノロジーの活用方法があります。その地域にフィットする活用方法、そしてその可能性を見出すには、きちんと地域とハックするテーマを体感する必要があり、Field Hack では、参加者がフィールドワークや対話を、地域の協力者と 2 日間に渡り行います。

地域、そして、ハックするテーマについて体感することで、初めてテーマの可能性と、テクノロジーができることの乖離を埋めるということができると思います。

また、プロトタイプの構想を練る、まさにゼロから生み出す瞬間は、参加者と地域のみなさんとの双方がイメージを共有、納得する必要があり、その後の開発期間(遠隔でのやりとりが基本)を円滑に進めるためには、オフラインで慎重なすり合わせを行う必要があります。

それがきちんとできれば、短期的ではなく、中長期的な視野で、本当に地域に変化を生み出すきっかけになるようなプロトタイプが自然と生まれることにつながるのではないでしょうか。

小さな変化かもしれませんが、地域が抱える可能性、課題を掘り下げ、そこにテクノロジーが出会う瞬間を感じれるイベントということが、Field Hack の醍醐味かと思います。


第 2 回 Field Hack TONO に参加した、UTech のみなさんと地域の方との一枚。「米通ポスト」という地域と都市部、双方の視点を上手く取り込み、デジタルとアナログの垣根を超えるプロトタイプを開発。
 

参加者がリスク低く取り組めるということ

Field Hack には、将来的に地元に戻りたい、地域で仕事をしてみたい、会社として地域と関わることを検討している、などそんな想いを持った方々に参加いただいており、彼・彼女らにとっては、その将来へのトライアルになっていると思います。

地域に住居を移して活動することだけが地域との関わりではない。僕自身も地域との関わりを持つためには、移住し、深く入り込もう!という考え方に少し疑問を持っていました。家族、住居、ライフスタイルを変えなくても、始めれることはあると。

自分の人生に負担をかけ過ぎることなく、多拠点生活を体験するというような気持ちで参加できる。そんなある意味、気軽な気持ちでまずは参加できるイベントだと思います。
 

モノサスが主催として参画する理由

とはいえ、これまでの Field Hack ではイベント後も地域に通い続けている Field Hackers たちがたくさんいます。基本的に、イベント以降の開発は、参加者と地域側に委ねられることになるのですが、プロトタイプの開発を細長く継続し、アップデートがある時に地域に試しにいく方や、そもそも地域の魅力を感じ、通い続ける方もいます。次の開発プランも話し合えたものの、日頃の仕事の合間を縫いながら進めている為、自然に継続がストップする場合ももちろんあります。

プロトタイプをイベント後にどうするか? そこには良い悪いはないと思います。
それと同時に、参加者が「地域と参加者が実装に向けて動きたい!」と思った時、次の 1 から100 にしていくサポートを、主催側としてどう行えるのか、体制を整えることができるのかが、第 1 回、第 2 回開催を経て感じた課題でした。

これまでに開発されたプロトタイプの一例。

そこに対して、今回モノサスが主催組織として参画することになった際、新しい可能性が見えてきました。

モノサスには、徳島県神山町にサテライトオフィスもある、町を巻き込んで進めているフードハブ・プロジェクトもある。地域は違えど、地域側としての目線や、物事の進め方に関する知見が活かせるのではと。地域から地域へ、面でとらえた時に、汎用的にサポートできることはなにか、どんなシナジーを生むことができるのか、そのチャレンジを大切にしながら進めていきたいと思います。

また、モノサスとしても、本業のウェブ、テクノロジーをどう地域内に、その地域に合う形でプラグインしていくかもまだまだ手探りの状態です。地域と都市部では、テクノロジーの活用においてギャップを感じることがあります。それは、地域にテクノロジーが必要ない訳ではなく、地域なりの活用方法がまだ確立されていないだけだと考えてます。

地域で困っていることがある人と、テクノロジーをつかって面白いことに取り組んでみたい人を繋ぎ、今までになかった可能性を見いだせる Field Hack です。
そんなField Hackから得たヒントをもとに、テクノロジーと地域をどう繋げるか、トライアル & エラーを繰り返しながら展開していくことが、都市部と地域の両方に軸足をもつ会社としてのミッションだとも思います。

そのミッションは、都市部に集中した、人材のスキル、テクノロジーを日本全体に還元していくきっかけとなり、いつかは、地域に根付くプロダクトが生まれ、地域とテクノロジーの掛け算が、Field を Hack するというムーブメントとして 1 つの流れになって欲しい。

遠い未来かもしれませんが、意外と近い現実になるかもと勝手に妄想してます。そんなチャレンジを今回の与謝野町を通じて、より具体化させていくことへの一歩とできればと願ってます。

この投稿を書いた人

上原 健

上原 健(うえはら けん)ディレクター

プロデュース部の新人。東京都大田区出身。化粧品、アドテク業界を経て、モノサスに入社。 現在は、プロジェクトマネージメントを担当(希望)。週末は、釣りして、飲んで食べる。 年内に動くものを作ることを目的に、最近はコーディングも勉強中です。

上原 健が書いた他の記事を見る