2018年03月

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火曜日の投稿

ものさす編集部
投稿者:ものさす編集部

2018年03月27日

新年度を前に、ちょっとひと息。
〜モノサスの「読書会」#22〜

図書だより

ものさす編集部
投稿者:ものさす編集部

いよいよ3月もラストスパート!まもなく新年度がはじまりますね。
今回の読書会は、ちょっぴりあわただしい年度末の空気のなか「ちょっとひと息」というテーマで、ランチタイムに開催しました。

ぽかぽか陽気にさそわれて、お昼どきの会議室に集まったメンバーは3名。リラックスした雰囲気のなか、ひとり5分間で本を紹介します。

今回紹介する本

  • 『おかしな家族』ジャン・コクトー(著)講談社
  • 『お化けの愛し方: なぜ人は怪談が好きなのか』荒俣 宏(著)ポプラ社
  • 『こねてのばして』ヨシタケ シンスケ(著)ブロンズ新社

それでは、読書会スタート!
 

遠慮はいらない!自由な感性で楽しもう
ジャン・コクトー(著)『おかしな家族』

紹介者:羽賀 敬祐


ジャン・コクトー(著)『おかしな家族』講談社(1994/6/15)(Amazon

ジャン・コクトーが手がけた絵本『おかしな家族』を持ってきました。普段ほとんど絵本は読まないんですけど、装丁が素敵だったのと、コクトー自身に興味があって、数年前に購入しました。

コクトーは19世紀のフランスで活躍した芸術家で、詩人、小説家、映画監督など、マルチな活動をした人です。とにかくいろんなジャンルで作品を残してるんですけど、絵本だけは生涯で一冊しか作らなかったんですね。それがこの絵本です。

冒頭に「幼い読者諸君へ」というメッセージがあるんですが、これがすごく良くて。「もし、この本の色が気に入らないならば、君の色鉛筆で好きなように塗りたまえ。ー遠慮はいらない。」という言葉があるんですが、感性で自由にしてくれ!っていう感じがいいですよね。日本語/フランス語併記のレイアウトや、コクトーが描いた挿絵も可愛いんです。

内容は、太陽と月の夫婦のあいだに生まれた子どもを、犬に教育してもらうという話。すると、首輪をはめて散歩をさせられたりして「これはイカン!」と、最終的に子どもの世話を星にまかせて一件落着という。なんというか…発想が独特で、こういう自由さ忘れていたなぁと(笑)。子どもの心を失わないように大事にしたいなと思える絵本です。

ジャン・コクトー、初めて知りました。

羽賀

本当に多才な人で、ピカソとも親交があったみたいです。コクトーのデッサンを絶賛していたとか。

村上

太陽と月の夫婦は、自分たちで子育てしないんですね。

羽賀

ね、なんか忙しいみたいです(笑)。

 

知の巨人がいざなう「お化け」の世界
荒俣 宏(著)『お化けの愛し方: なぜ人は怪談が好きなのか』

紹介者:村上 伊左夫


荒俣 宏(著)『お化けの愛し方: なぜ人は怪談が好きなのか』ポプラ社(2017/07)(Amazon

本屋で目に留まってタイトル買いした、荒俣 宏さんの『お化けの愛し方』です。内容は、お化けとの付き合い方というか…ホラー的にとらえるだけじゃなくて、お化けと恋愛したりコミュニティをつくったり、そういうことも可能だよ、みたいなことが書かれてて。「一体どういうこと?」ってなるんですけど(笑)。

日本の怪談の元は、中国の志怪(しかい)小説だとか、日本の有名な怪談「牡丹燈籠(ぼたんどうろう)」の元ネタ「剪燈新話(せんとうしんわ)」との比較とか、いろいろな考察があって面白いです。

中国では、お化けを封じるためのお札に「急急如律令(法律に従え)」という言葉があったそうで、お化けに対して法律を守れと言ってる。それが日本だとお坊さんの説法によって成仏する、とかに話が置き換えられてて、興味深いなと思います。

あと、会社近くの平田神社に祀られている、平田篤胤(ひらたあつたね)のことも載っててビックリしました。死=穢れ、というイメージを払拭するような教えを説いていたようですね。

羽賀

著者はどんな方ですか?

村上

博物学者で小説も書いてて、神秘学や風水とか妖怪にも詳しい。大学でも教えてるのかな。博覧強記な人ですね。

奇妙な感じがする本が好きなんですね。

村上

小さい頃からファンタジーは好きかも。ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』やジャンプで連載されてた『アウターゾーン』とか。読むと気分転換できるのでいいですよ。
 

こねまくって、のばしまくる。その奥深さ。
ヨシタケ シンスケ(著)『こねてのばして』

紹介者:乾 椰湖


ヨシタケ シンスケ(著)『こねてのばして』ブロンズ新社 (2017/10/19)(Amazon

以前、青山ブックセンターで原画展を見て、気になってた絵本を買いました。
表紙を見るとパン屋さんっぽいんだけど、何屋でもなくて、名前もでてきません。

朝起きて「今日もはじめます」と、ただただ、こねつづける。こねてる物体が何なのかも、最後までわからないまま。ひたすらこねる。こねてこねて、ちょっと放っとくと、ふくらんで破裂して、それを集めてまたこねて。こねてこねてこねて…そして終わるという(笑)。

『こねてのばして』というタイトルの通り、こねてのばす以外、なんの説明もないんですけど、見てるうちに、どんどん想像がふくらむんです。質感は?重さは?ネバネバしてないんだろうな、サラッとして柔らかくてしっとりしてるんだろうなとか、ぼーっと眺めてるだけで楽しくなります。

おそらく毎日こねてるんだろうけど、こんなに楽しそうにやってるのを見ると、私も毎日同じことでも楽しくやりたいな、と思えるというか。「ちょっとひと息」というテーマにピッタリだと思って持ってきました。

あと、ヨシタケさんの絵がホントに可愛くて。この帽子のフチにある点線とか、給食係の帽子のゴムみたい。あー可愛い。お店でも目立つところにあったので、人気なんだろうなと思います。

村上

こねてる物体がわからないままなのがイイですね。どんな感じなんだろう...

いろんな形にのびて、お布団みたいにもなるし。箱にも入るんです。

羽賀

読む人の想像をふくらませる本ですね。

ホントにこねてるだけ。登場人物も一人で、なんの事件も起きない。でも楽しいんですよね。とにかく万能のコネですよ(笑)。

読書会をおえて

芸術家が描いたシュールな物語に、知の巨人によるお化け論、思わずこねこねしたくなる楽しい絵本。まさに「ちょっとひと息」にピッタリな本が集まりました。

次回はどんなテーマになることやら。それでは、また!

この投稿を書いた人

ものさす編集部

ものさす編集部(ものさすへんしゅうぶ)

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