Wed.
17
Oct,2018
小野木 雄
投稿者:小野木 雄
(デザイナー)

2018年10月17日

決めたら動く。 自分らしいデザイナーの道を歩む、滝田怜子

メンバー紹介

小野木 雄
投稿者:小野木 雄(デザイナー)

デザイナーの小野木です。
私は3月でデザイン部の部長を退任しましたが、共通の案件を通してなんやかんや一緒に仕事する機会の多いデザイナーの「滝田怜子」。彼女がモノサスに入社した経緯はこちらの記事にあるので割愛し、今回は僕から見た彼女の仕事のスタンスや良いところを紹介したいと思う。

彼女はいわゆる「デザイナー」なのか?

実はデザイナーとしての彼女の立ち位置を、4年間上司だった僕自身よくわかっていない。誰もが惚れ惚れするようなデザインコンセプト立案とか、デザインコンペで連勝!というような、わかりやすい活躍は少ない(僕もだけど…)。

しかし、いろいろな案件には関わってもらっていて、気がつくと「やっぱり助かるなー」と思ったり、デザイン部の仕事が少ないとき、なぜか地味に稼いでみたり。すごく目立ったものはないけど、たまにキラッと光る活躍をする。そんなデザイナー。

そもそも入社時は、とある運用案件の担当デザイナーとしての採用だったから、彼女のキャリアとしても運用がメイン。その後も似たような仕事が多かったかもしれない。なぜ運用っぽい案件を滝田にお願いしがちだったのか?というと、そういう案件って、コミュニケーションや全体の業務管理、工数管理やデザインチェックなどが付いてまわる。それらを彼女にお願いしてきたのは、やっぱり「滝田さんなら安心できる」と思えたから。

そう考えると、彼女のことは「デザイナー」という枠からもう少し広く紹介すべきかもしれない。

都度「今、大事なこと」をみつける

僕は過去に彼女を月間MVPに推薦している。こちらの記事を読んで分かるように、所謂「デザイナー」っぽい感じでの受賞ではない。案件の全体を把握する力と、それに関わる7名のデザイナーの制作物・進行管理を評価したのだ。膨大な量の制作物をチェックし、先方とコミュニケーションし、きちんと納品する。デキるディレクターであれば、当然!と思うかもしれないが、デザイナーという人種がそれをするのは、やっぱりすごい。こういうことは努力とは別に、向いている人とそうでない人がきっちり分かれると思うから。

また、今の彼女のメインの仕事はクラウドソーシングサイトのデザイン運用。キャンペーンなどに合わせて、Webページやバナーのデザインをスケジュールにあわせて制作していく。ここでも彼女らしさは発揮され、目立たないけど着実に毎日の仕事をこなしていく。僕は同サービスの UI / UX 改修に携わっており、週に一度は彼女も会議に一緒に出席する。やはりというかなんというか、サービスのことは既に把握しており、その会議の場でも、自分事として UI / UX の発言ができるようになってきた。サービス自体がやや女性向けでマッチングしたこともあるが、お客様はもちろん、モノサス常駐スタッフと連携しながら、きっちり仕事をしていく様は本当に頼り甲斐がある。

両者の案件を通して言えるのは、仕事の全体像から要点を認識し、その時に自分がするべき役割を見つけられる勘の鋭さ。今まで大規模な制作運用に携わってきたから、ひとつの仕事の前後関係を考慮しながら大事なポイントを抑える力は、彼女の長所だと思う。

手間を惜しまず、没頭できる力

少しデザイナーとしても褒めておこう。とある案件のビジュアル制作で、イラストが必要だった。僕がイラストのトーンを決めたもので、それまでも僕が描いていた。ただ、僕がずっと描き続けても運用上のスピードが上がらないので、彼女に描いてもらうことにした。

その時期、僕も忙しく会社を留守にすることが多かった。正直不安だったが、フィニッシュまで仕上げ、彼女は僕にチェックの依頼を出してきた。結果、僕が手書きで修正指示を出すことにはなったが、素人目には僕が描くレベルと大差がなかった。

ここで褒めておきたいのは「彼女は器用」ということではなく、この間、ネガティブな発言や「どうやればいいんですか?」という質問攻めがひとつもなかったこと。

僕が過去につくったイラストのデータをじっくり見ながら、あれこれ考えて似せて描いてくれたのだろう。僕が忙しかったものだから負担をかけないように気遣ってくれたこともあるかもしれない。普通だったら不安で色々訊きたくなるものだが、彼女は自分でやると決めたら、没頭して頑張ってくれる。戻しの手間を惜しまずに。

本当にこのときは助かったし、嬉しかった。
デザイナーの先輩として、試行錯誤してくれている姿を見ると、やっぱり応援したくなるものだ。人に簡単に訊いたりせず、自分で考え行動した時間は彼女をもっと成長させることだろう。

決めたら、即行動。

前述の内容でもわかると思うが、彼女はこれと決めたら本領発揮するタイプ。

彼女が社員になる際もそう。
モノサス では代表との面談によって社員になれるかが決まるのだが、なにがどうなれば合格ラインなのか、とてもわかりづらい。代表の林は、「会社に貢献」とか嫌いだし、何をして稼ぎたいか?とかも深くは訊かない。マイプロジェクトが大事とも言うけれど、全員が全員これというプロジェクトを持っているわけでもない。だから、過去に社員面談で何回も何回も落とされている人がたくさんいる。

彼女はそこを「社員になるって決めたんで。」という覚悟だけで一発合格したように思う。それまでのアルバイト・契約期間が長かったのもあるけど、どちらかというと覚悟を決めた眼力がすごかった。少なくとも僕は怖かったし、面談が始まったときには林が合格を決めていた、という場の雰囲気にも頷ける。

そういえば、先に紹介したクラウドソーシングサイトのデザイン運用に携わるときもそうだった。彼女に声がかかってから、自分がやると決断し、毎週の UI / UX 定例会に顔を出すまでがとてつもなく速かった。彼女は UI / UX の専門ではないけれど、そういった目線でデザインも考えられたら、と思ってのことだと思う。

決めたら、即行動。
「まずは決めてから、今何ができるか?」を地でいく漢(おとこ)っぽい性格が、彼女をここまで伸ばしたように思う。

自分らしいデザイナーの道を切り拓いて

彼女の肩書きはデザイナーである。
けれど、彼女の場合、デザインするという行動自体は、アウトプットするひとつの方法でいいように思う。

仕事はたくさんの要素でできていて、自分の向いていないことも、しがらみも多い。彼女のこれまでの仕事はデザインというある一点の仕事より、いろいろなものが絡み合った「面」での仕事が多かった。だから、本人は気づいていないかもしれないが、彼女だけのノウハウがあるはずだし、実は仕事の選択肢は広い。


ディレクターと話しあいながらデザインを考える滝田(左)

彼女がこれから何を決めて、どんな働き方をするのかは分からないが、あまり心配はしていない。仕事人としてのコモンスキルは高いはずだから。

あとは、持ち前の決めて動く力を存分に発揮して、自分らしいデザイナーになるだけだ。僕が部長という直属の上司を離れ、今は先輩と後輩という仲だけれど、いつかお互い違った視点から、デザインを通して対等に意見しあえる関係が築けるまで、これからも応援していきたい。

この投稿を書いた人

小野木 雄

小野木 雄(おのぎ ゆう)デザイナー

デザイン部の部長を退き、ひとりのデザイナーとして修行中。現在は主にデザイナー目線でプランニングに入ったり、UI / UXに深く関わってみたり。何のプロフェッショナルになるか模索しているけれど、イラスト仕事だけはずっと携われているのが心の救い。

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