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Jun,2022
龍田 祥拡
投稿者:龍田 祥拡
(マーケティング部 部長)

2022年06月30日

「BtoB企業のWeb担当者に聞いた。コーポレートサイト運用実態レポート2022」が完成しました

BtoB研

龍田 祥拡
投稿者:龍田 祥拡(マーケティング部 部長)

モノサスでは、BtoB企業に特化したWeb制作サービスを展開しています。上場・中堅企業を中心に様々な業種のBtoB企業のコーポレートサイト制作や運用を担当しています。

日々の制作や運用業務と並行して、「BtoB企業のWeb担当者に聞いた コーポレートサイト運用実態レポート」というレポートをまとめています。BtoB企業のWeb担当者の方々に取材をさせていただき、その結果をまとめたレポートです。

①「他社はどのようにサイトを活用しているか?」というWeb担当者のニーズに応えること
②我々がサイトリニューアル時の知見として役立てること
を目的として、取材~レポーティング活動を行なっています。

この活動は、2012年から1~2年に1回の頻度で続けています。1回あたり50~100社に取材をさせていただき、これまでの累計の取材企業数は650社を超えます。

この度、コロナ禍の休止をはさんで、3年ぶりにレポートが完成しました。
今回は、調査概要と調査から得られたサマリをご紹介します。

調査概要

取材実施期間
2021年7月~2022年3月

取材手法
1社ずつ対面での取材(オンライン)

取材対象
90社(BtoB業種を中心に、全国の一部上場企業)

取材対象企業プロフィール

業界区分


年間売上高/従業員数


上場/未上場

 

「コーポレートサイト運用実態レポート2022」の目次

 第1章 コーポレートサイト概要
 1-1 コーポレートサイトの運用数と運用規模
 1-2 海外向けサイトの対応方法
 1-3 コーポレートサイトのマルチデバイス対応

 第2章 コーポレートサイトの目的と目標
 2-1 コーポレートサイトの目的と目標
 2-2 コーポレートサイトにおけるログ解析ツール活用実態

 第3章 コーポレートサイトにおけるCMS活用動向
 3-1 コーポレートサイトにおけるCMS導入状況
 3-2 CMS選定理由と選定状況
 3-3 CMSの利用状況

 第4章 コーポレートサイトにおけるソーシャルメディア対応実態
 4-1 コーポレートサイトのソーシャルメディア対応状況
 4-2 動画コンテンツの活用状況

 第5章 コーポレートサイトの運用実態
 5-1 コーポレートサイトの運用体制
 5-2 コーポレートサイトの運用外注コスト
 5-3 コーポレートサイトの更新頻度と更新コンテンツ
 5-4 コーポレートサイトのサーバー運用状況
 5-5 コーポレートサイト運用の悩み

 第6章 コーポレートサイトのリニューアルプロジェクトの実態
 6-1 コーポレートサイトのリニューアル頻度と動機
 6-2 リニューアルプロジェクトの予算
 6-3 リニューアルプロジェクトの体制と期間
 6-4 リニューアルプロジェクトの制作会社の選定
 6-5 リニューアルプロジェクトの障壁と今後の課題

 

今回のレポートのサマリ

前回の2019年の結果と比較をしながら、今回の取材結果から特徴的だったポイントをご紹介します。

1)リニューアルにかける予算の増加

コーポレートサイトのリニューアルにかける予算に変化が見られます。最も多かった回答が500万円~1,000万円(26.7%)、二番目に多かった回答が1,000万円~3,000万円(25.6%)で、500万円~3,000万円で過半数を占めます。

2019年と比較すると、最も増えたのが1,000万円~3,000万円の予算帯で、15.0%から25.6%へと増えています。
この背景には、変化を繰り返す事業環境に合わせてコーポレートサイトに担わせる役割や期待が増していることが大きな要因だと考えられます。また、Web制作の高度化・複雑化が進むにつれ、制作コストが高まっていることも影響していると考えられます。

「コーポレートサイトに対してのモチベーションが高まってきている」という制作現場で感じる肌感覚と予算増が符合する結果となっています。

2)コーポレートサイトの重要な目的に変化はないが、発信する情報の内容に変化

様々なステークホルダーに向けて情報を発信するBtoB企業のコーポレートサイトの目的は多岐にわたります。今回の調査結果からも、複数の目的や目標を設定していることが分かりました。

複数の目的の中で、「最も重要だと考えていることは?」という質問への回答は、IR情報の発信(38.6%)、新規客からの問合せ獲得(21.7%)、企業情報や各種取組みの発信(13.3%)という回答が上位になりました。いずれも、2019年調査でも上位になっていますが、変化が見られたのが、IRや企業情報の発信の中身です。

フリー回答の内容で散見されますが、「CSR・SDGs・ESGに関する情報発信に力を入れないといけない」という意識を持つ担当者が増えています。経営・事業運営にも大きな影響を与えようとしているテーマなだけに、コーポレートサイトからの情報発信にも力をいれていこうとしている様子が分かります。今後の動向を注視すべきテーマとなりそうです。

3)運用の課題に変化、BtoB企業もSNS活用が本格化

運用体制に関する回答を見ると、2019年調査とほぼ同じ結果で、運用担当者の人数は2~3人(53.3%)、他業務との兼務(99%)という回答が最も多くなっています。つまり、運用体制に変化はなく、2~3人で兼務をしながら、コーポレートサイトを運用しているというのが1つのパターンのようです。

一方で、運用の中で感じる課題には変化が見られます。2019年調査で多かった回答が、社内のWebに関する意識が低い(17名)、効果測定が難しい(11名)でしたが、今回の調査では、運用に関わる社内スタッフが少ない(34名)、自身のWebに関する知識が十分ではない(31名)という回答が多くなっています。リソース面や知識面で課題を感じられる担当者が増えているようです。Web施策が増え、活動量が増える中で、それぞれの施策を深めるところに手がまわっていない様子が伺えます。

活動量が増えている要因の一つに、SNS活用が増えていることも影響をしていそうです。SNSを活用しているという回答が、2019年は35.7%だったのが、今回は55.2%と大幅に増えています。2019年調査では、Facebookが中心でしたが、TwitterやInstagramを活用する企業が急激に増えていることが分かりました。

 

最後に

今回は2019年以来の調査でした。3年経過しているので、変化が見られるポイントも多くありました。定点観測の大切さを感じる結果でした。

今年も取材を計画中です。現場で見られる変化を念頭に取材項目の見直しも行なう予定です。

作成したレポートは、取材に協力いただいた担当者様にお送りさせていただいています。取材やレポートに興味がある方は、こちらからお気軽にお声掛けください。

この投稿を書いた人

龍田 祥拡

龍田 祥拡(たつた よしひろ)マーケティング部 部長

兵庫県播州出身。祭りが盛んな地区で生まれ育ったので、祭り月(10月)はソワソワしています。バーテンダーの経験があり、社内イベントでは、いつもお酒係としてコキを使われています。マーケティング部の部長もやっています。

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