Food Hub Project とは
フードハブ・プロジェクトは、「地産地食|Farm Local, Eat Local.」を合言葉に、地域の農業と食文化を次の世代につないでいくために2016年4月に設立された農業法人です。人口約4800人(2024年2月時点)の徳島県 神山町で、神山町役場と神山つなぐ公社、モノサスが共同で立ち上げました。
子どもからお年寄りまで、まちに暮らす人を対象にした「育てる、つくる、食べる、つなぐ」という地域内での小さな食の循環システムを通して、新規就農者を受け入れ農業を営み、育てた農産物を使った食堂・パン屋・食品店を運営し、地元の食材で加工品を製造・販売しています。
2023年4月からまちに新しくできた『神山まるごと高専』の寮の食事も提供しています。単なる農業や飲食業にとどまらない、地域の農業問題の解決・食文化の継承・雇用創出・移住促進・コミュニティの活性化・次世代教育など、関係会社とも連携し、地域社会の課題解決に取り組んでいます。
食の地域内循環システム
育てる 〜社会的農業を実践する〜
農業を通じて景観を守り、地域の農業と食文化を次につなぐ農業者を育てることで、地域に貢献する社会的農業を実践しています。
また、地域の農家さんや料理人、教育者と話し合い、段階的な無農薬、有機肥料栽培の導入を実施しています。


Photo:Masataka NAMAZU
フードハブの農業チームメンバーとして新規就農し、4年後に独立したOrononoの松本さんご夫妻。独立就農後もフードハブと連携し、各農園の年間作付け計画の立案・調整をし、共同で販売営業を行ったり、今後の方向性を話し合ったり、農業機械の所有や利用を共同で行ったりしています。手が足りない時には収穫を手伝うなど、お互いに困った時に助け合える関係です。
つくる 〜みんなの手でつくりあげる〜
神山には1978年に『神山の味』という素晴らしい郷土料理と食文化の本を出版した生活改善グループが今も続いています。 これらの文化を活かし地域の方たちと協力し、料理だけにとどまらない、土地の文化と人と食をめぐるモノづくりにみんなで取り組んでいます。


食べる 〜神山の農業を、食べて支える〜
地域の農産物をふんだんに使い、生産者と食べる人をつなげる「食堂」「パン・食品店」を運営しています。 自社の農業チームやフードハブから独立就農したメンバーの育てる有機栽培の野菜や果実、また設立当初からお世話になっている「里山の会」(栽培期間中化学肥料・農薬不使用で野菜づくりをしている神山の生産者グループ)の皆さんから仕入れた野菜を中心に使用しています。


つなぐ 〜学んでいく、教えていく、考えていく〜
地域の農業を次の世代につなぐために「地域で育てて、地域で食べる」という意識を広めていくことが私たちの食育(つなぐ)活動です。 一緒に種から育てて、調理して食べる。その種を次に受け継いでいく。地域の農家さんや作り手、学校と協力し、一緒に「循環」を軸にした食育に取り組んできました。 現在はNPO法人まちの食農教育として活動を広げています。


2023年よりスタートした神山まるごと高専の給食。合言葉は「地産地食率・日本一をめざす給食」。地域の食材の産食率を、日常的には80%、年2回の強化週間は100%を目指します。寮で暮らす高専の学生は給食を毎日3食食べています。