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Dec,2023
原澤 翔伍
投稿者:原澤 翔伍
(アカウントセールス)

2023年12月20日

ハイカーズジンと過ごした一年 〜2023年活動レポート〜

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原澤 翔伍
投稿者:原澤 翔伍(アカウントセールス)

今年のハイカーズジンを振り返る

ハイカーズジンを販売開始したのは2022年6月。それからもう1年半が経とうとしている。今年はイベント出店のお声がけいただくことが増え、ハイキングコミュニティへより近付けた一年だった。

今年出店したイベントを振り返りながら、ハイカーズジンを通じて見えてきたこと、どう受け入れられていったのか。そして来年の活動についても考えてみようと思う。

出店したイベント

6月 山道祭(愛媛県西条市 石鎚山)

ハイカーズジン開発時にも関わっていただいた豊嶋秀樹さんが、コミュニティディレクターを務める、山道具のガレージブランド「山と道」。

現在のハイキングシーンで知らない人はいないほどの人気を博す同ブランドが主催する、山道祭(やまみちさい)への参加が決まったのは実は2022年の6月。ちょうど1年前である。しかし台風の影響でその年のイベントは中止。速報を聞き肩を落としてしまった気持ちは今でも鮮明に覚えている。

今年こそ!と1年越しに準備をし、愛媛の地元農家さんや自然学校の協力を得て出来上がった、ハイカーズジン2ndTrail「柑橘とヤブニッケイ」を引っ提げて参加したイベントがこの山道祭だ。



ここで、山道祭出店に向け、2ndTrail「柑橘とヤブニッケイ」の商品開発に多大なご協力をいただいた、みかん農家のtangerine(タンジェリン)と、西条自然学校について紹介させていただきたい。

tangerineは、Uターンで地元愛媛県宇和島市へ戻った若松優一朗さんの営むみかんジュースとアパレルのブランドだ。若松さんはみかんジュースにもワインのような付加価値を生み出そうと(これまで飲んだことがないくらい美味しいというのもあるが)、スケートカルチャーを取り入れたかっこいいデザインのラベルだったり、東京のブランドとのコラボレーションだったり、さまざまな角度からこれまでの価値観を変えようと新しい取り組みをしている。

出張POP UPでコールドプレスジュースを絞った後のブラッドオレンジの皮を提供くださり、今回のコラボレーションが実現した。ふだんはイベントを行った土地で捨ててくるしかない皮を使用することで、ゴミの削減にもなっている。

西条自然学校は、山道祭の会場である愛媛県西条市の石鎚山系の山域を含む、地域の動植物の保護・研究・教育・生産を行っているNPO。元々は博物館の学芸員だった山本さんを中心に、石鎚山の山麓で「自然を仕事に」をテーマに活動されており、石鎚山系に自生する1000種類以上の植物に対する造詣はとてつもなく深い。

今回の2nd Trailの開発にあたり、この辺りの地域ではどんなハーブがありどういう使われ方をしているのか、「その昔、石鎚山を歩くときはニッケイの根を噛みながら歩いた」ことなど、その土地に伝わる興味深い話も聞くことができた。

こうして生産者の方と直接会って互いの話ができると、ハイカーズジンを誰かに伝えるときにその人たちの顔が浮かぶ。そうすると伝える言葉にも自然と熱が入る。その熱は必ず伝わるのだと思う。初めてのイベント出店で、それを経験できたことはとてもありがたいことだった。

7月 YOYOGI MOUNTAIN & CRAFT DAY(東京都渋谷区 FarmMart & Friends)

我らがファームマート&フレンズで開催された、山好きによるクラフトマンシップをテーマにしたイベント。このイベントではクラフトビール @passificbrewing や、ヴィーガンフード @mountaingrocery 、ザック @rainadole_works2277 やソックス @hikertrash_official などのハイキンググッズ販売があり、もちろんドーナツも食べられる。なんともゴキゲンでおあつらえ向きなイベント。

ハイカーズジンはボトル販売だけでなく、フレッシュなフルーツやハーブをトッピングしたジンソーダも販売。(カラッと晴れた夏の日にジンソーダは最高!)

このイベントをきっかけにご近所さんにもハイカーズジンを知ってもらうことができた。





当日はロングトレイルハイカーでハイカーズジンのボトルイラストも描いてくれた河戸良佑氏(a.k.aイワシくん)、ドーナツシェフでハイカーのケンさんによるリアルな海外トレイルにまつわるトークも聴きながら、実際に彼らがロングトレイルで使っていた道具を手にとって見ることができて、ハイカーとしてはかなりテンションが上がるイベントだった。

小さい規模でのイベントながら、ハイキングカルチャーを背景に持つかなり濃い人たちとの出会いがたくさんあり、後のイベント出店へと続いていく流れができたように思う。

8月 ゆまキャン(長野県大町市 湯俣山荘)

北アルプス最奥部へのアクセスが容易になるが、その地質やガスの影響で道や吊り橋が崩れてしまいほぼ廃道となっていた登山ルート、伊藤新道。そんな伊藤新道を再開通させたネオアルプスの伊藤圭さんが主催する、ルート開通記念イベント「ゆまキャン」へ、イベントポスターを描いたイワシくんの紹介で参加させてもらった。



イベントには20を超える出店者が集まり、前日から出店者同志の交流が深められた。互いに持ち寄ったギア、ハイキングトークに花が咲く。そして嬉しいことに、ハイカーズジンのことを知ってるよ、と声をかけてくれる方が何人もいた。「ボトルのイラストが最高」「ジンの香りがいいね」と方々から声をかけていただいて、一人で出張していた僕の不安な気持ちはすぐにどこかへ消え去った。携帯の電波も通じない谷間にあるこの場所は、どこか閉鎖的だけどオープンなマインドが溢れていた。

昼間はまだタンクトップで過ごすのがちょうどいい。だけど夜はダウンを着ていても寒かった。そんな夏の終わりに、深いコミュニティの奥へと誘われていく感覚がずっと脳にこびりついている。


イベント2日目の朝に伊藤新道を歩いた。それまで歩いたことがなかったけれど、湯俣ブルーと呼ばれる湯俣川の美しさ、ジグザグと進んでいって次々変わる景色とそのアドベンチャー感に一発で魅了された。装備が十分でなかったので途中で引き返したが、今度はこのルートで北アルプス奥地を目指してみたい。

9月 Outdoor Experience 2023(山梨県南都留郡 山中湖村)

ありがたいことに、ゆまキャンでいくつかの出店者さんからのプッシュをいただき(え?こないの?と当然のように)開催2週間前だったにも関わらず急遽出店させてもらえることになった。

山中湖の湖畔で行われるこのイベントはそのタイトルの通り「Experience(体験)」がベースになっている。出店者は何かしらのワークショップを行うことになっているのだ。


カヤック教室、ハンモック体験、ハンドドリップ講座など様々なワークショップが行われていた。
そんななかハイカーズジンは、きき酒(もちろんジンで)を行ったがこれが大変好評だった。

ハイカーズジンの3原則①人と繋がり、一緒につくること②そこで生きる植生を使うこと③ULの精神で山と楽しめること。それらをより体感してもらえたように思う。何より美味しい!とたくさんの声が聞けたことが本当に嬉しい。そうそう、ハイカーズジンはただの山向けのジンじゃない。うまいんだ。



火を囲みながら夜遅くまで続いた親睦会。その日は少しひんやりする地面にタイベックシートとシュラフを敷き、タープ泊で眠った。自然とより一体になり、このコミュニティとのつながりも感じられとても心地がよかったことを覚えている。

12月 法華院ギャザリング2023(大分県竹田市 法華院温泉山荘)

九州のハイキングコミュニティ「ハッピーハイカーズ」主催の法華院ギャザリング2023へ出店。5年ぶり、3回目の開催となる今回のテーマは「ライフスタイル」。1回目の「ウルトラライト」2回目の「ローカル」に続く、ハイキングを通じて自身のライフへのヒントやきっかけを与えてくれるテーマが設定されている。

イベント開催前には、主催者から各出店者へ「ライフスタイル」についてのコメントを求められた。ハイカーズジンとして僕が提出した文章はこうだ。

「ライフスタイル」
ハイカーズジンは、僕をいろいろなところへ連れて行ってくれる良い相棒だ。
こいつを発売してからというものの、僕のライフスタイル(生き方)は大きく変わった。
それまでの自分では会うこともできないような人と会うことができたし、行けないような場所に行くこともできた。
こいつはやばいな!と面白がってくれる人が現れ、その人がまた別の人を呼び、次々と新しい出会いがあった。
そしてハイカーズジンは、僕をどんどんコミュニティの深いところへと引っ張っていってくれたのだ。
人や場所だけじゃなく、考え方においてもそうだ。
ULの精神で、本当に必要なものを選び、自分の手で持ち、自分の足で歩いていく。
ハイカーズジンはそれを僕に教えてくれた。
次はどんなところへ連れて行ってくれるだろう?楽しみで仕方がない。



ところでこのイベントはゲスト約300人に対して主催メンバーはたった4人だという。親睦会の最後に、主催の豊嶋さんから運営メンバー紹介を聞いたときに、その熱い想いに心底感動した。運営/ボランティアメンバー、山荘の方、ゲスト。全ての人・もの・ことに対する感謝があり、深い洞察と愛がこんなにも周りの人を巻き込んで、これだけのエネルギーが生まれるんだと、全ての源を目の当たりにしたように感じた僕はしばらく言葉を失ってしまった。

このイベントを通じて感じたのは、心の底から湧き出てくる感情を見逃してはいけないということ。山にいて自由を感じていても、街にいて違和感に気付きにくくなってしまったとしても、一瞬の感情を見過ごさない。小さな積み重ねが毎日を作る。豊嶋さんの感謝の言葉をはじめ、そう思える出来事がたくさんあった。


イベント翌日、法華院からの下山道。土が雪をふんわりかぶっていて、足を前へ進めるたびにパリっと音を立てた。ところどころガスっている道は、なんだか天国を歩いているようで、僕の曖昧で境界がわかりづらくなったライフをより抽象的にうつしているようだった。

一年を通じて感じたこと、来年に向けて

自分の足で歩く

基本的に山は資源が少ない。トイレへ行こうと思っても水や紙がないなんてことはザラにある(そもそもトイレがない)。水場が枯れていて予定していた補給ができないこともあるし、強風でテントが立てられないことも、登山道の整備がされていないなんてことも当然ある。

その状況をいかに乗り越えるか、そして楽しめるか。山では常にそれを問われている。僕がハイカーズジンとともに過ごしたこの1年半、様々な場面で出会った人たちは皆そのことをよく知っている。山にいても街にいても、今自分がどんな環境にいて、どうすれば楽しくなるか。自分だけではなく周りへの配慮も含めて少しずつその環境をよくしていくこと。

そしてその大前提としてあるのは、僕たちは誰しも皆自分の足で歩いているということ。だからこそイベントで再会してもいつでも互いを尊敬し合い、楽しい時間が過ごせる。

今年参加したイベントで何度か「え、ジン全部自分で持ってきたんですか?」と聞かれた。山の上で行われるイベントには極力自分たちでハンドキャリーして持って行った。配送(山によりヘリや悪路用のクローラー、歩荷など物資の配送方法は様々ある)に頼ることが悪いわけではなく、その時どんな状況でどういう選択をするかが重要だ。

今年はハイカーズジンを持って色々な場所へ行き、様々な出会いや発見があった。来年はまた違った場所へも行ってみたい。そしてどんな環境へおかれたとしても、その場所をどう良くしていけるか。その時自分たちは何を持っているのか。明るい未来について仲間たちとともに語り合い、この活動を続けていきたい。山と宴を楽しみながら。

この投稿を書いた人

原澤 翔伍

原澤 翔伍(はらさわ しょうご)アカウントセールス

モノサスではアカウントセールスとWORK101、家庭では洗濯物とたまに料理を担当。無類のキャンプ好きで、季節問わず年中どこかしらでキャンプしています。(焚き火コミュニケーション検定所持)

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