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Oct,2017
永井 智子
投稿者:永井 智子
(取締役副社長)

2017年10月02日

離れていても、できること。
離れているから、できること。

仕事と暮らし・周防大島

永井 智子
投稿者:永井 智子(取締役副社長)

周防大島サテライト(準備中仮オフィス)勤務、副社長の永井です。
今回は東京出張からの帰り、羽田空港での待ち時間を利用してこの記事を書き始めています。異常気象で寒い日が多かった東京と違い、焼けつくように暑い日が続いた周防大島の夏も終わり、周防大島のBGMは、セミの声から、鈴虫をはじめとした多くの秋虫の音に変わっています。

東京出張の準備では、夏の間は半袖×出張日数分の着替えで良かったのが、寒くなるか暑くなるか予想ができないこの季節、半袖×日数+長袖×日数分という夏の2倍ちかい荷物を持っての大移動となっています。そんな季節の今回は、「東京から離れてから変わった仕事」「離れた場所でも変わらない仕事」との向き合い方について、レポートしたいと思います。
 

周防大島に移っても、変わらず続けられる仕事

1か月のほとんどの期間、周防大島サテライトオフィスで仕事をしている私が、代々木などと定期的に行っている打ち合わせは週に数件あります。

  • 代々木:デザイン部、クリエイティブ部、BtoBコーポレートサイトビジネス会議等
  • タイ:子会社のモノサスタイランドの現地責任者との打ち合わせ
  • 神山:神山町で行っている教育事業の現地責任者との打ち合わせ

それぞれの部署での仕事について、主にお互いの状況の確認、課題の共有、改善方法の検討・進捗確認などを行います。また、何か問題が発生した際は、その解決に取り組むための相談やディスカッションになることもあります。

日々の業務は、メールやチャットツール、たまに電話を利用して、テキスト情報を中心に進みますが、モノサスでは、顔を合わせての打ち合わせもまだまだたくさん行っています。そんな時に役立つのがインターネット上のテレビ会議システムです。

具体的な事柄についての「報・連・相」を主体とした会議では、離れた場所から画面越しに話していても、同じテーブルを囲んで打ち合わせをしているのと同じような効果を出しています。うなずいたり、納得したことを表情で確認することも可能なので、テキスト情報や声だけよりも伝わることは多く、お互いに意見を交わし合って、その場ですぐに解決・結論に至ることが多いように思います。

普段業務で使っているパソコンやインターネットの通信料金だけで、テレビ会議が利用できる技術ができた現在だからこその利便性を強く実感しています。


あたかも同じテーブルを囲むように、代々木(手前)と周防大島(奥の画面)合同での打ち合わせは進みます。

また、会計状況を確認したり、月々の銀行への振り込みや資金状況の確認対応をしたりすることも、役員としての私の仕事の一部です。実務作業の部分については、代々木のメンバーや会計事務所に分担してもらっている部分もありますが、最終的な振込承認作業や、集計されたデータをもとにキャッシュフローや予算の検討などをしています。
こちらも、銀行に行かずとも窓口とほぼ同じ機能を利用できるオンラインバンキングや、東京や大阪にまたがる売上情報をリアルタイムで確認できるウェブアプリケーションという技術環境があってこそ実現した、場所によらない仕事の進め方だと実感しています。
 

東京に行くからこそ、できる仕事。

一方で、今も月に1,2度、延べ日数で5~7日程度は東京へ出張しています。
そこでは、役員会議や各部の責任者と、数か月後から半年後、時には1年から数年後の「目指す組織」についての話をしたり、課題というほど顕在化してないけれど、現状よりも「より良い組織」にできないかを模索する打ち合わせを中心に行っています。

これらは、1回の打ち合わせで、何か直接具体的な成果を出すこともあれば、特に結論らしきものが出ないこともあります。ただ、「そういえば、この前・・・」といった雑談のような話の中から、新しい発見があったり、互いの思いの置き所を確認したりして、日々のお互いの業務や判断にブレをなくするために必要な打ち合わせと位置づけています。

先述の報連相や課題解決のための打ち合わせは、画面越しでも問題なくできると思いますが、同じ場を共有することで「思い」をシンクロさせたり、ビジョンをすり合わせたりするような打ち合わせは、なぜかテレビ会議では今のところ難しいように感じています。

この感覚も、たとえば将来テレビ会議から一歩進んで、スターウォーズのような、ホログラフィを使った会議で臨場感が増していけば、少しずつまた変わっていくのでしょうか…?

また、少し余談になりますが、東京に行くたびにひそかな楽しみにしていることのひとつに、モノサスの「バディランチ」という制度があります。これは、ランダムに決められた2人でランチに行くという、今年から新たに始まった取り組みです。


バディ「ランチ」といいつつ、タイミングと相手によっては夜のランチ(?!)になることも。1対1だと、ほぼ初めてしゃべる相手ともいろいろなことを話すので、お互いの理解を深められます。

メンバーが70人もいると、ふだん仕事では直接的な接点のない部署もあり、挨拶以上の話をしたことのない人もいます。また、仕事では日常的に話していても、プライベートのことや好きなものの話をしたりなど、仕事とはまた違った一面を見ることもあります。そうやって一度じっくり話をしてみると、距離が縮まって会社でも話がしやすくなるし、仕事上で異なる意見を戦わせることがあっても、信頼しあって事にあたれることが増えるような気がします。

このバディランチのように、コミュニケーションすること自体が目的になるものは、遠く離れているとやっぱり難しいものです。一度冗談交じりで、とある社内の親睦会のときに、お店でノートPCを広げてもらって、代々木と周防大島(こちらは私1人!)で合同飲み会にしようか・・・なんて話をしたこともありましたが、想像するだに味気なさそうで断念しました(笑)。
 

周防大島に来たからこそ、できること

東京を離れて周防大島にやってきてから約半年。
そろそろこちらでも、日常的な業務については、だいぶルーティン化するまでに落ち着いてきました。東京でもできていたことが、不便なくできるようになることが第一歩だとすると、それに加えて離れているからこそできることを、プラスしていきたいものです。


周防大島で(たぶん)4番目に高い白木山からの眺め。ほぼ360度の見晴らしで、瀬戸内のたくさんの島々や本州はもちろん、遠くは四国まで望めます。

まずは、東京では当たり前すぎてあまり深く考えられていなかったことを、改めて意識して考えることがその第一歩になっています。

たとえば、夜遅くまでの残業や徹夜が、東京以上に不自然に思えるこの環境。これらを会社全体として更に減らしていくには、どうすればいいのか真剣に考えてみること。
また、同じ Web業界であるお客様や協力会社の方々と話す機会が減って、周防大島で業界の違う人、世代も背景も違う人と話すことが増えたことで、入ってくる情報の種類が全く変わった環境。これからの社会で成長し、求められる人、求められる組織になるためには、実はどんな道を選択し、何を学ぶことが必要なのか。

まだ、周防大島にいるからこその成果といえるところまでは現れていませんが、そんな一歩一歩を、これからしっかり着実に築いていきたいと思います。

この投稿を書いた人

永井 智子

永井 智子(ながい ともこ)取締役副社長

モノサスの取締役副社長です。東京タワーの見える家に憧れ、川崎から、国分寺、本郷を経て目黒までたどり着いたはずが、ひょんなことから山口県に住むことになりました。人生何が起きるかわからない、だけどどこもが住めば都。 「どう生きるか」から仕事や住む場所を選ぶのもいいけれど、今いるところを居場所と決めて、生き方、考え方、性格だって変えていってもいいんじゃない?

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