2017年11月

17

金曜日の投稿

神山ものさす塾  塾生
投稿者:神山ものさす塾 塾生

2017年11月17日

フラットな人間関係がある場所。
神山で暮らし、学んで、働いてみて
〜神山ものさす塾・3期生便り〜

神山ものさす塾

神山ものさす塾  塾生
投稿者:神山ものさす塾 塾生

はじめまして。神山ものさす塾三期生の奥浜聡太です。
神山ではみなさんに、そうちゃんと呼ばれています。
お茶やコーヒーが大好きで、数種類つねに手元にあります。
神山に来てから知った杜仲茶や阿波番茶なども最近よく飲んでいます。

今回の神山ものさす塾レポーター

奥浜 聡太
お茶とコーヒーが大好きなカフェイン中毒のWebデザイナー。最近のお気に入りは金萱茶です。Web開発をもっと深く勉強したいと思い、神山ものさす塾第三期に参加しました。


なにかが違う神山

私は過去には Webデザイナーとして働いていたことがあり、少し経験を積んできました。今回は Web制作をより深く学びたいという気持ちと、神山町に住んでみたいという気持ちの両方を持って参加しています。

私が神山を知ったきっかけは、ニュースで見た「えんがわオフィス」です。
建物のインパクトもさることながら、ニュースの写真を見ながら「どうして徳島に?」と不思議でした。それから調べれば調べるほど、神山にはプロジェクトやいろんな動きがあると知りました。

ご縁があって今回やってきた神山ですが、私の地元の兵庫県からは距離的・文化的に近く、市街には似ている風景もたくさんありました。
だからこそ、神山町のような場所が持っている「何かの違い」がより浮き上がって見えて、それは何なんだろうというのを、考え続けています。
 

「塾生」はステータス?

神山ものさす塾は、先月の岩井さんの記事のとおり、内容はもりだくさん。
Web制作の初歩から自分でウェブサイトを立ち上げられるようになるまで、カリキュラムが綿密に詰まっています。塾生は課題をこなすために夜遅くまで残ったり、休日にあつまったり……とまさに集中キャンプのようです。

塾のカリキュラムもさることながら、「塾生」という立場が神山では独特のステータスを持っているような気がします。たとえば町の人に「ものさす塾生なんです」といえば不審がられずに合点されるような、どんどん自己紹介していけるような雰囲気があります。

なので、町の人や他の移住者の方とも仲良くなりやすく、顔も覚えられていき、それが面白いです。
 

「神山で働く」を
ひとあし先に覗き見した気分で

私は9月から10月にかけてモノサス神山サテライトオフィスでインターンシップする機会をいただきました。主にデザイン・コーディング業務の一部を教えていただき、バナー制作やランディングページのコーディングを担当しました。


二期卒塾生佐藤さんの誕生日会にて。唐揚げとカレーを作りました。

サテライトでインターンをしてみてわかったのは、仕事やスキルの面だけではなく、神山で暮らすというのはこんな感じかな? ということです。
全体的に町は静かで、気候も比較的おだやかです。駅の中でにぎやかな人混みに紛れることもないからか、ゆっくりと通勤できます。そういった実際的なところが違うので、無理せずとも心にゆとりを持つことが出来ます。

神山サテライトオフィスは、とてもウェルカムな雰囲気で、暖かく迎えていただけました。
一度ミーティングに参加したときには、社員の方も二期卒塾生もたくさん発言していて、そこには全体的にオープンでフラットな関係性が見えました。

そこで気づいたのが、全体的に神山ではフラットな人間関係があるということでした。

神山では誰かと会うと、お互いにお互いの仕事をリスペクトしていると感じます。
神山にはアーティストや起業者も集まっているので、そこに視線がいきがちですが、仕事の奇抜さとか面白さという意味での「見上げる」リスペクトではありません。
人口も少ないし、高齢化しているし、ITのサテライトオフィスが集まっているとはいえ限られた人数ということもあり、それぞれの仕事に代わりが効かないので、互いの仕事を尊重し、「助け合う」リスペクトのように感じます。

そのお互いを尊重する感じは、いままで経験したことのないものでした。
そういった視線を、自分自身ももらっていることを感じられるし、自分も持つことが出来ます。
 

やりたいことを我慢する理由はない

神山に来てたった数ヶ月ですが、これまでに何人ものアーティストや、起業家にお会いすることが出来ました。スキーランドで出会った舞踏家や、人形劇のリサーチをしに日本を訪れていたパペットアーティスト、マクラメのアクセサリーの作家さんなど。各人それぞれに分野も、やっていることも違うのですが、共通していているのはみんな神山に何かしら魅力を感じているということ。


神山にあるイベントスペースにてDJ機材を触ってみる。なんとなく曲を繋いでみたり、ミックスしてみたり......思わぬところでこういうスペースがあるのも神山ならでは?

そのなかでクリエイティビティを最大限に発揮して、神山での生活を楽しいものにしようという気持ちを持っていらっしゃいます。たとえば、小さな映画上映会なんかを企画したり、ときあるごとにパーティがそこらじゅうで開催されていたり。自分もこんな風にすればいいのかな、と思えるロールモデルをいくつも見つけました。

神山という場所の特性もありますが、どのイベントに行ってもかならず年配の方を見かけます。活発に活動している年上の方を見かけると負けてるわけにはいかないなあという気持ちになります。移住者が増えてはいてもやはり若い世代が少ない神山では、自分の若さも貴重なものに感じられます。

年齢というフィルターも、性別というフィルターも、神山ではあまり気にされないので「自分はこうであるべき」というイメージを自分で押し付けることもあまりなくなったように思います。悪い意味でいうと適当になって、いい意味でいうと態度が柔らかくなりました。
 

町にお邪魔しているという感じではなく

今回私は、他の神山ものさす塾生と3人で一軒家をシェアして暮らしています。
はじめはどんな風になるか想像のつかなかったシェアハウス生活ですが、同じご飯を食べ、同じ空間に居て、同じような生活時間を過ごすうちに、信頼感が芽生えました。年齢もそれぞれ異なりますが、敬語は無しで喋っていたりて、オープンな感じで暮らすことが出来ています。


みんなで暮らした一軒家。中はリフォーム済みできれいですが、外には戦前の建物も残っていたり......歴史を感じる建物でした。

田舎の生活を想像したときに、地域に溶け込めるかどうか、というところを私は一番心配していました。
この一軒家を借りたときに、周辺の家に挨拶回りに行きましたが、その心配は杞憂でした。神山町の人は移住者にも、お遍路さんで外部の人に慣れているということもあるのか、塾のこともすぐ理解していただくことができました。

それだけでなく、若い人が移ってきたことが本当に嬉しいことのように話してくださいました。ときどきおすそわけを頂いたり、余分なざぶとんを頂いたりして、徐々に地域に溶け込んでいっています。
 

これまでとこれから


塾生が古びたフィルムで撮影してくれた一枚。タピオカミルクティーを作った日の思い出です。なんてことはない日でしたが、むだに切なく見えます。

神山の移住者のなかには、常に神山で暮らしている人もいれば、多拠点のなかのひとつとして神山を選んだという方もいらっしゃいました。
今回、塾生として神山に来るときには、今後、都会で働くか、神山か神山のような場所で働くかの二択から選ばないといけないなあという前提があったのですが、そういう縛りも別に必要ではないかなと今は思います。

神山でよく聞く言葉の中で、「なんでもやったらええんちゃう」という言葉が一番好きです。

この言葉はどんなことにも適用できそうで、新しいアイデアやプロジェクトを実行するということだけではなく、どこに暮らしたいとか、こんな風に暮らしたいとか、明日は今まで作ったことのない料理をしたいとか。大きいことから小さいことまで何でも、私は「やったらええんちゃうかな」と思うようになりました。神山に来て、自分自身の一番の変化はここかもしれません。

ものさす塾も残り一ヶ月となりました。いまは最終課題へ向けて駆け足で進んでいて、いよいよ自分の力が試される局面になっています。授業はしっかりと終わらせて、自分でもどんどん Webサイトを作っていきたいです。

この塾を終えての進路は、まだはっきりと決めていません。
ただひとつ確かなのは、今後別の場所で暮らし働くということになっても、いつか神山にまた訪れたいと思っていることです。

この投稿を書いた人

神山ものさす塾  塾生

神山ものさす塾 塾生(かみやまものさすじゅくじゅくせい)

神山ものさす塾・塾生です。全国から集まった10名が、神山でともに暮らしながら、コーディング&ライティングスキルを身につけるべく日夜奮闘中です。

神山ものさす塾 塾生が書いた他の記事を見る