MONOSUS
ICECREAMING MAG

モノサス運動会の映像を4年間つくり続けて
〜 機材と表現とその変遷 〜

こんにちは、デザイナーの河原崎です。久々の「映像研」コーナーの更新です。

モノサスでは毎年11月、会社の創立記念を祝して運動会が開催されます。私がこのイベントの映像係として制作を担当し始めてから、早いもので4年が経ちました。

毎年、年末の慌ただしい時期に制作が重なることもあり、完成した後には決まって燃え尽き症候群のような状態になり、「もう、今年でラストかな……」と安堵の溜息をつくのが恒例なのですが、運動会委員をはじめ映像を喜んでくれる方がいてくれているので、それがモチベーションとなって続けてこれたと思います。

これまで、色々な分野の映像をマイペースに制作をしてきましたが、この運動会映像のように、同じイベントを制作し続ける機会はあまり無く、自分の中でも良いモデルケースとなったと思います。

今回の記事では、そんな映像をどんな機材でどんな事を考えながら毎年制作してきたか、備忘録的に残しておきたいと思います。

毎年制作する上で続けてきた4つの指針

映像を制作するにあたり、毎年共通の決め事を自分の中で持っていて、以下のような事を念頭におきながら制作をしてきました。

  1. 参加メンバーが後から見て楽しめるものであること
  2. 社外の人が見ても、モノサスの雰囲気や活動が伝わるツールとなること
  3. 新しい機材や映像表現に挑戦し、毎年変化をつけて飽きさせないこと
  4. 参加できなかったメンバーが「来年は参加したい」と思えるような映像にすること

これらをベースに、その年ごとのコンセプトを決めて制作してきました。特に3つ目に関しては、社内イベントだからできる事とも思っていて、失敗を恐れずに新しい機材を試せる場にもなっていると思います。
それでは次から、実際つくってきた運動会の映像をご紹介します。

18周年(2022年):当時できることをすべて詰め込んだ運動会映像

【使用機材】

はじまりは4年前、当時の運動会委員からお声がけいただいたところからスタートしました。当初のお題としてはざっくりと記録映像として頼まれたくらいですが、やるからには単なる記録に終わらせたくありませんでした。参加者はもちろん「第三者が観ても楽しめる」映像を目指しました。

はじめての運動会映像ということもあり、手持ちの機材をフル動員。メインカメラには愛用している Sony α7sIII を使用。発売当時、コンシューマー向け一眼ミラーレスの動画性能を飛躍的に向上させ、姉妹機のFX3と共に業界のゲームチェンジャーとなった名機です。レンズは標準ズーム(28-70mm)と望遠ズーム(70-200mm)の2本で挑みました。基本は標準ズームで撮影しつつ、メンバーの楽しむ表情を抑えるため、随所で望遠レンズを使用。

さらに飛び道具としてドローンを使用することで、画角にダイナミックなバリエーションを持たせています。またオープニングをグラウンドの空撮にすることで、運動会のはじまり感を演出しました。

撮影と編集では、スポーツ特有の臨場感に加え、楽しんでいるメンバーの様子を最大限に収めることを意識しました。気づけば、参加者の盛り上がりを見返しながら編集するのが、この映像をつくる楽しみのひとつにもなっていました。

という事で、当時できることを注ぎ込んだ18周年運動会映像。今見ても、この時が機材も時間も1番かけてつくったし、この時にしかできない感性で、モノサス運動会の空気感を映像に収められたと思います。
当時の運動会委員も、こんな映像をイメージしていなかったのか、初見で(いい意味で)驚かれた事を覚えています。

19周年(2023年):前年の経験を生かしたスマートな機材構成の追求

【使用機材】

前回の運動会映像で、当時できる事をかなり詰め込めたので、この年は、前年のクオリティを落とさず、いかに機材をスマートにできるかを注力しました。というのも、私の拠点は沖縄にあり、運動会の会場は千葉。さらにこの時は都内での別件も重なっていたため、身軽にする必要がありました。

メイン機材は α7sIII と28-70mmの標準ズーム一本のみ。ドローンや望遠レンズはあえて省き、レンズ交換の手間を減らして機動力に特化させました。画角のバリエーションは、自らのフットワークでカバー。前年の経験から、どの位置にいれば良いシーンが撮れるかをある程度把握できてきたので、障害物競走や椅子取りゲームなど、競技の良い瞬間を逃さず捉えることができました。

また、オープニングにスローモーションを取り入れるなど、前年の空気感を継承しつつも異なる表現を試みました。機材は大幅に減ったにもかかわらず、完成した映像の尺は前年比1.5倍となり、より多くの名シーンを凝縮した映像に仕上がったと思います。

20周年(2024年):競技に参加しながらPOV(一人称視点)撮影に挑戦

【使用機材】

この年は創立20周年という節目という事で、映像の印象を大きく変えたいという想いと共に、今まで撮影係故に競技に参加できなかったので、スポーツ好きな自分としてはそろそろ競技にも参加したい…という気持ちも湧いてきました。

そこで、メイン機材にアクションカメラ(DJI Osmo Action 5 Pro) を導入。胸元に装着することで、ハンズフリーで競技に参加しながら「POV(一人称視点)」撮影を行いました。

アイデアの発端としては、昔NIKEのCMで公開された、ひとりのサッカー選手がスタープレイヤーに成り上がるサクセスストーリーをPOVで展開する映像で、この手法とスポーツの相性が良さそうなイメージが湧きました。また、最近ではポカリスエットカロリーメイトのCMなど、撮影にiPhoneが導入されたPOV形式の映像を頻繁に見かけるようになり、機材の進歩によってこの手法が選択肢として使いやすくなったことも影響しています。

ただ懸念点もあり、それは撮り終わるまで素材を確認できないことでした。自分の胸元だけでなく、他の参加メンバーにも装着してもらったため、プレビューなしで使える画が撮れているか不安でした。ただ実際に撮影素材をみてみると、想像以上に躍動感のある良い感じの映像が撮れていたので一安心。手ブレも不安だったのですが、最近のアクションカメラは手ブレ補正機能がとても優秀で、激しい動きの中でもきちんと撮影ができました。

ラストのリレーシーンでは、走ってる途中にカメラの固定ネジがゆるんでカメラの向きが変わってしまい、最後まで撮影できなかったハプニングもありましたが、全編通して映像を見た人が、まるでその場にいたかのように感じられる、没入感の高い映像を実現できたと思います。

アクションカメラはチェストマウントを使って胸元に装着。
アクションカメラはチェストマウントを使って胸元に装着。

21周年(2025年):360度カメラを使った躍動感あふれる映像

【使用機材】

直近の21周年では、再びメイン機材を刷新し、360度カメラを使った映像制作に挑みました。2つの魚眼レンズを搭載し、全方位を同時に記録できるこのカメラは、以前から興味はありつつも、なかなか実戦投入の機会がなかった機材です。

きっかけは、去年の夏頃に最新の360度カメラを試す機会があり、その画質がアクションカメラと遜色ないレベルまで飛躍的に向上していることに驚かされたことです。また、通常のカメラでは撮影できない、この機材ならではのカメラワークに可能性を強く感じたことが、メイン機材としての採用に踏み切る決め手となりました。

実際の撮影では、このカメラを超長い自撮り棒の先に装着して高く掲げることで、ドローンのように上空からのダイナミックな視点を実現。さらに、玉入れのような円状になって行う競技では、その中心にカメラを据えることで、通常の機材では撮ることのできない「全方位を巻き込んだ表現」を試みています。

また360度カメラの機能面での大きな特長は、撮影後に編集でアングルや画角を自由に決められるという点です。これにより、一発勝負の運動会撮影において物理的な撮り逃しが減るのは、心強いメリットでした。

さらに、昨年同様のアクションカメラ「Osmo Action 5 Pro」に加え、超小型カメラ「Osmo Nano」を競技の邪魔にならない場所に仕込むなど、素材のバリエーションを追求。これにより、今回は過去使用していた一眼ミラーレスカメラは使わず、360度カメラとアクションカメラのみの機材で撮影できました。

360度カメラ特有のデータ形式には編集作業でかなり手を焼きましたが、苦労した甲斐もあり、事前のイメージ通り躍動感のある映像に仕上げることができたと思います。

釣り竿のような超長い自撮り棒に360度カメラを装着して撮影。
釣り竿のような超長い自撮り棒に360度カメラを装着して撮影。

最後に

運動会という、普通の会社ではなかなか経験できないイベントを毎年映像に残し続けることは、私にとっても良い経験となったと思います。運動会参加者が映像を見返したときに、当時を思い出して楽しんでもらえたら、制作者として幸いです。

近年、モノサスはWeb制作の枠を超え、食分野など仕事の幅を大きく広げています。今後も運動会に限らず、様々な社内プロジェクトで、映像制作の機会があるといいなと思います。

河原崎 平

沖縄在住のWebデザイナーです。趣味は映像を観たり作ったり。