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Sep,2020
杉本 恭子
投稿者:杉本 恭子
(ライター)

2020年09月07日

「BtoB企業の"熱"をもっと伝えたい!」
モノサスの専門チームがWeb担当者の悩みに応える『BtoB WEBメソッド』を公開

BtoB研

杉本 恭子
投稿者:杉本 恭子(ライター)

こんにちは。ときどきものさすサイトのお手伝いをしている、京都在住のライターの杉本です。

「ものさすサイトのなかに『BtoB WEBメソッド』という新サイトができたよ」と聞いて、制作の裏側にせまるべくBtoBチームのおふたりにインタビューをしました。『BtoB WEBメソッド』はBtoB企業のWeb担当者に向けてリニューアルのノウハウをまとめたサイト。トップページはこんな感じです(↓)。

制作したのは、2012年に発足した、BtoB企業のコーポレートサイトを専門的とする「BtoBチーム」。数々のコーポレートサイト制作に加えて、600社以上のBtoB企業を取材して制作した「コーポレートサイト運用実態レポート」、Web担当者向け “お助けニュースレター”「コポ研通信」を発行するなどの活動も行ってきたツワモノたちです。

同サイトの制作の経緯と今後の展開について、BtoBチームのプロジェクトマネージャーの龍田祥紘さん、営業担当の坂本靖夫さんにお話を伺いました。


BtoB WEBメソッド、メンバー紹介ページより

 

Web担当者は「リニューアルのはじめ方」がわからない

『BtoB WEBメソッド』の企画が立ち上がったのは今年の春。実は、同サイトのアイデア自体は以前からあったのですが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で営業活動が一時的にストップした期間を活用して一気に企画・制作。6月に公開しました。

サイトの企画段階では、既存のクライアント企業4社にヒアリング。Webリニューアルを担当する人たちが最初にぶつかる共通の壁ーー「何からはじめたらいいかわからない」という悩みの解決をテーマにサイトを設計したそうです。

龍田: BtoB企業は、BtoCとは違って専任のWeb担当者を置かずに、経営企画室、総務、システム、あるいは人事などの部署の方が兼任されることが多い。Web制作の知識や経験がなくて、制作会社の探し方すらわからなくて困られることもあります。
『BtoB WEBメソッド』では、こうしたBtoB企業のWeb担当者の悩みを解決すべく、情報の出し方とその構造にこだわりました。トップページの目立つ位置に「リニューアルの始め方」へのリンクを置いたのもその一環です。

リニューアルの始め方」を見ると、検討段階からプロジェクトスタートまでの大づかみな流れと、各フェーズでやるべきことがくわしく解説されています。このページさえあれば、リニューアルを担当するときも「何をすればいいか」を確認して、行動に移すことができそうです。


リニューアルプロジェクトが始動するまでにやるべきことを5つのステップに分けてわかりやすく解説。

トップページからは、「成功のポイント」「ケーススタディ」など過去の制作実績をベースとしたコンテンツへのリンクも掲載。サイトリニューアルを検討するWeb担当者をサポートする情報がシンプルに配置されています。

 

サイトの心臓部にある「コンセプト」の“熱”

ここでもう一度、トップページを見ていただきましょう。さきほどお話した「リニューアルの始め方」の上、一番目立つところに「コンセプト」という文字があります。


トップページの最も重要なポジションに「コンセプト」が置かれている。

「BtoBサイトに向き合う私たちが抱く想いを、コンセプトとしてまとめました。原点であり、道しるべでもある、私たちの信念です」

「向き合う」「抱く思い」「原点」「道しるべ」そして「信念」。インパクトの強い言葉がいくつも使われていることに、しっかり目を留めていただきたいと思います。そのうえで、「コンセプト」のページをえいっと開いてみると……?

私たちはBtoBの熱を知っている」とは!「こんなに熱いメッセージが出てくるのはどうしてだろう?」と、「龍田さん、BtoBの熱について熱く語ってください!」と直球で迫ってみたところ……。

龍田:あのページを書いたのは坂本なんですよ(笑)。サイトの設計、他のページの執筆は僕が中心でしたが、「コンセプト」のページだけは、お客さんに向き合ってきた坂本が書くべきだと思いました。彼自身の言葉で、彼が話しているような感じの文章にならないとあのページは意味がないと思ったんです。
坂本には「この先、少なくとも2〜3年はお客さんに会ったときに本気でしゃべれる内容を書け」と、2ヶ月かけて仕上げました。そこは坂本に聞いてもらったほうがいいと思う。

坂本さんはBtoBチームのリーダーであり、「コーポレートサイト運用実態レポート」の取材のために約500社(!)を訪問したというツワモノです。日本中を探しても、これほどの数のBtoB企業を五感で知る人はそういないのではないでしょうか。

ではさっそく、坂本さんに「BtoBの熱」について聞いてみましょう。

坂本:一昔前のBtoB企業は、「いい仕事こそが一番の営業だ」と思っていたというか。自社の仕事や製品に誇りがあるからこそ、「Webでの情報発信は必要ない」と考える傾向があったと思います。でも、お会いすると「誰もが使うこの製品の心臓部はうちの技術がないとつくれない」「うちの技術がスマートフォンのここに使われている」などと、ものすごく熱く語ってくださって。
「こんなにすごい技術を持っている会社があるんだ!」とワクワクしましたが、同時に「もったいないな!」とも思ったんです。「Webでこの人たちの熱意や魅力をもっと伝えられるはずなのに」って。BtoB企業の熱に触れるうちに、彼らにできていないことを我々が埋められるんじゃないかと思うと、こちらにも熱が生まれてくるんです。「コンセプト」ではそういう思いを伝えたいと思いました。

一般的に、BtoCサイトのリニューアルは平均3年周期といわれますが、BtoBサイトはその倍にあたる6年周期。次のリニューアルまでの間に前任者が異動・退職していてノウハウをストックされにくい……という課題も見えていました。

坂本:僕たちは「前任者がいない」「はじめてWebリニューアルを担当する」という方達と一緒に仕事をしてきましたから、BtoB 企業に必要なWebリニューアルのノウハウも蓄積されています。BtoB企業のWeb担当者の抱える課題をよく知っていて、同じ目線で解決を考えられることも、モノサスの強みのひとつだと思っています。

 

プロとして認め合うからいい仕事になる

『BtoB WEBメソッド』には、モノサスのBtoBサイト制作の強みを「特長」のページにまとめています。龍田さんは「いわゆるマーケティングの世界でいう特長に当てはまるのは1〜3まで。あとは思いの話をしているんですよ」と話します。ちょっと見てみましょう。

モノサスのBtoBサイト制作サービスの「特長」

  1. BtoB企業を中心に据えた専門チーム
  2. BtoBサイトを知るための600社を超える取材活動
  3. 運用まで一気通貫のサポート体制
  4. “知る努力” から、始める
  5. チームとしての一体感を大切に
  6. 担当者が、サイトに愛着を持てるか?
  7. 初志を忘れない
  8. “考える” と“つくる” のバランス
  9. 打ち合わせが楽しくないと、いいサイトはできない
  10. 長く付き合い、一緒に育てていく

たしかに、4〜10の項目に書かれているのは「仕事に対する姿勢」に関わる内容です。「一社ごとのオーダーメイドでサイトを制作しているので、どちらかというとプロジェクトの進め方や考え方の面での特長で差別化していきたい」と龍田さんは話します。

また、チームの最前線でお客さんと会ってきた坂本さんは、お客さんとの関係性のつくり方について、こんな風に話してくれました。

坂本:BtoB企業の人たちは、世の中の技術やサービスの黒子としての誇りをもっているのを感じてきました。僕らはBtoB企業のコーポレートサイト制作のプロフェッショナルだという自負をもって提案しています。お互いに、それぞれの業界のプロとして対等に認め合いながら仕事ができる。一体感のあるチームとして Webを制作できる関係を築けていると思います。

 

「あなたの仕事を家族に説明するとしたら?」

精密機器の心臓部の部品、あるいは一般には知られていないけれど世の中の”黒子”として活躍しているサービス。よくよく知らなければそのすごさがわからない、BtoB企業の”熱”の部分を伝えるために、龍田さんと坂本さんが編み出した”魔法の質問”があります。

龍田:営業の機会を増やすためには、業界の人たちにわかりやすいように製品情報や研究開発を伝えることはとても重要です。一方で、どんな製品やサービスをつくっているのか、素人である僕らにも理解できるようなページもやっぱり必要だと思うんです。かといって「一般の人にわかるように」というとあまりにも遠すぎる。
そこで、「みなさんの家族やお子さんに見せて説明できるページをつくりましょう」と提案するんです。そうすると担当者の方もすごく力を入れて原稿を用意してくれます。

「あなたの家族に説明するとしたら?」という提案は、ある意味とても親密なものだと思います。この質問をするときまでに「この人になら話してもいい」と信頼されていなかったら言えないし、たとえ言えたとしても答えてもらえるかどうかわからないと思うのです。

龍田:BtoBサイトのリニューアルで大切にしているのは機能と情緒のバランスです。予算やスケジュールの制約がありますから、製品情報のように「機能」を担うページはなるべく効率的につくり、コンセプトや思いを伝える「情緒」の部分にはじっくり時間をかける。サイトの構成を考えると、8〜9割までは効率的につくれることが多いので、残りの情緒的ページに全力投球するというイメージです。

自分たちで企画した『BtoB WEBメソッド』の制作においても、同じ考え方が踏襲されています。リニューアルのノウハウに関する部分は効率的に進め、「コンセプト」や「特徴」のように「情緒」を担う部分は話し合いを重ねながら言葉を練り上げていく、というようにして。

これから『BtoB WEBメソッド』はどんな風に展開していくのでしょうか?

龍田:今後は「成功のポイント」や「ケーススタディ」を随時更新していこうと思っています。内容としては「機能」に分類されるコンテンツにはなりますが、そこで熱く語る感じでいきたいですね。

バランスといえば、「ハードボイルドな印象の龍田さんとソフトで話しやすい坂本さんは、硬軟のバランスも絶妙ですね」と伝えると坂本さんは破顔一笑しました。

坂本:龍田の存在はやっぱり大きいですね。もう10年以上一緒に仕事をしていて、いいときも悪い時も近くにいたから、阿吽の呼吸みたいなものもありますし。多くを語らない人だけど、信頼してくれていると思っています。

今回お話を聞いたおふたり、そしてBtoBチームの過去記事のようすから、わたしもまた”熱”を感じてしまいました。仕事って、つきつめると一人ひとりの生きざまそのものだと思います。BtoBあるいは「生きざまto生きざま」で、モノサスを通じて世の中の“熱”が循環していくようすを、少しでも感じてもらえたらとてもうれしいです。


BtoBチームのようすがわかる過去記事
モノサス「 BtoB チーム」 この5人でやってます!
リーダー坂本に聞く! 「BtoBへの想い、チームの役目」とは。
BtoB の Web 担当者さまにお届け中! - お助けニュースレター「コポ研通信」のご紹介 -
600社のWeb担当者さまに直接取材! 〜私たちがBtoB企業の運用実態レポートを作るワケ〜

この投稿を書いた人

杉本 恭子

杉本 恭子(すぎもと きょうこ)ライター

フリーランスのライター。2016年秋より「雛形」にて、神山に移り住んだ女性たちにインタビューをする「かみやまの娘たち」を連載中。

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