2018年07月

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木曜日の投稿

ものさす編集部
投稿者:ものさす編集部

2018年07月19日

夏はビールを片手に漫画夜話!:前編
〜モノサスの「読書会」#25〜

図書だより

ものさす編集部
投稿者:ものさす編集部

例年以上に暑い日が続いてますね。
まさに夏全開!そして、夏といえば、ものさす読書会・特別編ということで、一年ぶりの「漫画夜話」です。

例年はビアガーデンでワイワイと開催していましたが、今回は趣向を変えて、しっぽりと室内に集ってみました。

それぞれのおすすめ漫画を手に、集まったメンバーは全部で6名。妙に天井が低いちょっとアヤシゲな空間で、秘密結社のように寄り集まって熱く語り合いました。

今回も、前編・後編の2回に分けてお届けしたいと思います。
まずは、みんなでカンパ〜イ!

乾杯を終えたら、ビール片手に、いや、漫画片手にスタートです。
ひとり5分間で本を紹介します。

今回紹介する本

  • さいとう・たかを(著)『サバイバル』リイド社
  • 松本 大洋(著)『Sunny 第1集』小学館
  • 呪みちる(著)『ライオンの首 呪みちる作品集1996-2012』株式会社トラッシュアップ

 

超エンタメで魅せる、終末的世界。
さいとう・たかを(著)『サバイバル』

紹介者:濱端 誠


さいとう・たかを(著)『サバイバル』リイド社(2001/6/1) (Amazon

ゴルゴ13で有名な巨匠、さいとう・たかを先生の『サバイバル』を持ってきました。1970年代のマンガですけど、大地震で壊滅した日本で無人島に取り残された少年が、両親を探しながらサバイバルしていく...という話です。

最初は絶望して、死にたい、気が狂ってしまいたいとか弱音ばっかりだった少年が、徐々に環境に順応しながら、廃墟と化した街でたくましく生きていく、そのサバイバル術が小ネタ的に紹介されてるんです。。

毒キノコの見分け方とか、原始人が一番大切にしたのは「針」だったとか、魚は焼くとビタミンが飛ぶから生がいいんだとか。僕たちが住む東京も 90%の確率で大地震が起こるといわれていますが、そういう面でも役立つ小ワザが満載だと思います。

実家に全巻持ってたんですけど、またWebで買って読み直したり。めちゃめちゃシリアスな話なのに、超エンターティメントというか。ちゃんとエンタメに昇華しようとしてるところが、さいとう先生の凄さだなと。いや、もうホント面白いんで超おすすめです。

加倉井

ゴルゴ13と同じ作者とは思えないですね。

濱端

実験的というか、途中グダグダする部分もあるんだけど、ラストはちゃんとハッピーエンドで終わるんですよ、希望がある。

村上

サバイバル...自分はまったくですね。

濱端

僕も無理、ソッコー死んじゃうと思う(笑)。
そういえばこの漫画、最近リメイクされたみたいです。僕はさいとう先生の劇画が好きなんですけど、イマドキの絵がいい方はリメイク版をぜひ。。

 

作品ごとに進化しつづける、すごい作家。
松本 大洋(著)『Sunny 第1集』

紹介者:半田 貴功


松本 大洋(著)『Sunny 第1集』小学館(2011/8/30)(Amazon

僕、松本大洋がすごく好きなんです。有名な『鉄コン筋クリート』や『ピンポン』も名作なんですが、最近の松本大洋もすごくいいよ!と言いたくて『Sunny』を持ってきました。

物語の舞台は、星の子学園という施設。様々な事情で親元から離れて暮らす子どもたちと、そこで働く大人たちの日常が淡々と綴られます。大変な境遇なのに、子どもたちのセリフがすごく無邪気で、それぞれのバックボーンが直接語られるわけじゃないけど、ふと悲しみが垣間見えたり。それを見守る大人たちの言葉にすごく救われるというか。

一冊読むたびに、ウルッときてしまうんですよね...読んだあと、やさしさに包まれる作品です。子育てしてる人はもちろん、ちょっと疲れたときに読むと、すごく心にしみると思うのでおすすめです。

松本作品はどれもイイんですけど、1作ごとに進化しつづけてるのが本当にすごいなと。画風も変えてくるし、同じシーンでも見せ方が違ったり。どんどん変化しながら、ずっと面白いものを作り続けられる作家って、そうそういないと思います。

濱端

群像劇みたいな感じかな。象徴的なエピソードとかは?

半田

子どもたちの授業参観を施設の大人が見に行くんだけど、人数が多いから分単位で回らなきゃいけない。で、「帰れ」ってシャレで言っちゃった少年が、なかなか謝れずに「なんで星の子学園で働いてるの?」って逆に尋ねるんですけど、その答えがもう...いや、これ以上は言えません(笑)。

加倉井

読みたい!え、借りていいんですか? やったー!

半田

装丁もすごくいいんです。絵が本当に上手くて、見てるだけで匂いが伝わってくる感じ。絵だけでこんなに表現できるんだと。ぜひ紙で買って欲しい本ですね。

 

怖いんだけど、その先が見たくてたまらない!
呪みちる(著)『ライオンの首 呪みちる作品集1996-2012』

紹介者:加倉井 宏美


呪みちる(著)『ライオンの首 呪みちる作品集1996-2012』株式会社トラッシュアップ(2015/10/31)(Amazon

夏ということでホラーを持ってきました。これまでは『BLUE GIANT』『乱と灰色の世界』とか、キラキラした作品を紹介してたんですけど、「漫画=キラキラ」が一般的だと思っていた私の感覚を変えたのが、この呪みちるさんです。

実は、イチ押ししたい作品がこの本には収録されてなくて(笑)。『黒い清涼飲料水』という短編なんですが、ぜひネットで探してみてください。人間の怖さが凄いというか...妖怪や幽霊が出てくる作品もあるんですけど、何といっても人の怖さ、それが一番面白いんです。

あと、ちょっとコミカルでドキドキする面もあったり、女性の描き方も美しい。その美しい子が、欲望のままにホラーのドロドロ世界で闇落ちしていく...もうたまらないというか。エログロな描写もすごいんだけど、黒い絵が本当に上手なんですよね。

呪さんはベテランの作家さんですけど、世界観がまったくブレない。ホラーで奇界な世界というか、怖いんだけど、その先を見たくてたまらなくなる。ジャンプ大好きだった私の価値観を変えてくれた作家さんです。

濱端

ホラーってグロい系とキレイ系があると思うんだけど、どっちだろう。

加倉井

グロい系ですかね。女性の描写は美しいけど、グロい描写も半端ないです。食事中だから見せられないページがたくさんあります...。

高橋

ホラー漫画、あんまり読まないかも。

加倉井

私も今まで読まなかったんですけど、もう価値観変えられましたね。有名な楳図かずお先生とかも、単なるおもしろおじさんのイメージしか無かったんですけど、ちゃんと読みたいと思います(笑)。


エンタメ・サバイバルに、進化しつづける作家の世界、ジャンプ少女を変えてしまった衝撃のホラー。 それぞれの熱い想いが飛びかった前半戦でした。

まだまだ盛り上がる漫画夜話、後半戦もお楽しみに!

この投稿を書いた人

ものさす編集部

ものさす編集部(ものさすへんしゅうぶ)

ものさすサイト編集部です。メインは2名。「正直な今」を伝えるべく、日々ネタを求めてアンテナ発動中。たのしそうな気配を感じたら、どこでも飛んでいきます!

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