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27
Jan,2020
山内 真
投稿者:山内 真
(プランナー)

2020年01月27日

ものさす × HAUS による新しい学びの場『非常勤講師特論』はじまってます!

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山内 真
投稿者:山内 真(プランナー)

こんにちは、プロデュース部の山内です。久々の投稿ですが、みなさん、お元気ですか?
今日は、モノサスと HAUS が手がける新しい学びの場『非常勤講師特論』の紹介と、次回開催の告知です。

非常勤講師特論とは、読んで字の如く、非常勤講師による、一歩踏み込んだ内容の講義です。特論は英語だと advanced study ですから、当然内容はその分野の上級者向けになります。とはいえ、この非常勤講師特論、アカデミックの現場のそれと大きく異る点は、「学びたい」という姿勢があれば誰でも参加できる、ということ。(そしてビールを片手に講義を聞くことができる)
オープンで、カジュアルで、けれど内容はハードコア。あるようで、なかなかなかった学びの場です。

そもそものきっかけは、数ヶ月前に、共催である HAUS の林洋介くんと飲んでたときに、彼から聞いた非常勤講師の話。(洋介くん自身も非常勤講師として働いている)
「非常勤講師」は自分の専門分野について教鞭をとりつつ、現場の第一線で活躍している人たち。講義で触れられる彼らの才能と知見は、しかし、教育の現場を超えてオープンにされることは稀だそうだ。彼らの専門的、かつ新鮮な知識をもっと自由に学べる場があったらいいのに...。おっと、じゃあモノサスでやるか!さまざまな分野のエキスパートが集まるイベントを。

というわけで、トントン拍子に話が進み、12 月にまずは第 0 回ということで、洋介くんに、彼が長岡造形大学で講義した『インターネットアート概論』を話してもらいました。インターネットの仕組みや特性を表現の素材や媒体にするインターネットアートの歴史についてのたっぷり 2 時間の講義。いや、かなり面白かった。当日のスライドは全部は見せられないのですが、トピック部分だけでも紹介すると、こんな感じでした ↓

いかがでしょうか...このインデックスだけでも『非常勤講師特論』の濃度が伝わってくるかと思います。(実際にはこれらの内容が豊富な画像や映像、ウェブサイトの紹介とともに語られました)


聞き入る聴講生のみなさん(モノサス & HAUS のメンバー)

普段は仕事でウェブサイト制作という領域でインターネットに携わるモノサスメンバーですが、文化的、歴史的な側面(しかもラディカルな)からインターネットの世界にふれることができ、新鮮な講義だったようです。

講義後は居酒屋に場所を移し、意見や質問を交換しながらワイワイと話せたのがまたよかった。以下、聴講したモノサスメンバーからの感想をいくつか紹介します。

  • 当たり前だけど少し業界が違うだけでこれだけ見えている景色がちがうのか!と沢山の驚きがいっぱいあった。
  • 同じジャンルの時代ごとの捉え方、解釈の移り変わりが時系列で学べたことが良い体験になりました。ネットアートについて知識が殆どなかったがすでに成熟しているというか歴史を重ねていることに純粋に驚きました。こんな世界、こんなことを考えて発信している人がいるなんて!といった感覚です。
  • ネットならではの技術革新によって作品が消えてしまう儚さがまさにアートなのかと思った。

この第 0 回は試験的に実施したので聴講生はモノサスと HAUS メンバー限定だったのですが、次回の第 1 回から、どなたでも参加できるかたちにしたいと思っています。

次回は2月5日(水)開催!
非常勤講師特論 #1【自己組織化から制作へ - 講師:村山悟郎】

というわけで! 2 月 5 日(水)、現代美術家の村山悟郎さんを講師に迎え、『非常勤講師特論 #1【自己組織化から制作へ】』を開催します!
自己組織的なプロセスやパターンを、絵画やドローイングで表現している村山さんは、様々な国際芸術展に参加するなどアーティストとして活躍しながら、東京藝術大学、武蔵野美術大学にて非常勤講師としても教鞭をとっています。


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講義 #1「自己組織化から制作へ」

自己組織化するプロセスやパターンを、絵画やドローイングをとおして表現しています。自己組織化とは、自律的に秩序を持つ構造を作り出す現象のことです。80年代以降、科学理論として展開されました。雪の結晶や交通渋滞あるいはアリの巣、そして細胞膜の形成運動までも、この実例と考えられます。生命や社会といった有機的な構造に広範に見られる現象です。予め全体の設計図が外から与えられるような組織ではなく、部分的な要素の相互作用で構造が内発的に創発(emergence)するシステムをあつかっています。村山はこの理論を参照しながら、絵画やドローイングの新しい形を提示しています。一般的な絵画の画面構成は、下絵を作成し、それに基づいて実践されます。村山の場合それと異なり、制作プロセスに独自の方法を設定しています。画面における先の様相が、次の一手の開始条件となるような自己組織的なルールを導入することで、周期的なパターンにおさまらない、有機的で生命的なパターンを生み出すことが出来るのです。
本レクチャーでは、自己組織化のなかでもとくにオートポイエーシス理論の概説とそこから導き出される制作論を紹介します。
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今回も相当に知的で高密度な講義になりそうです...!
個人的には、村山さんのウェブサイトに掲載されている、瀬戸内国際芸術祭 2019 の滞在制作の様子の映像を事前に見ておくと、上記の講義テーマがより楽しめるのではと思います。

参加申込みはこちら

一般枠は 15 席となりますので、お早めにお申し込みください!

この投稿を書いた人

山内 真

山内 真(やまうち しん)プランナー

愛媛→札幌→アイオワ→NY→東京。モノサスではWebプランニングを担当。週末は食い歩き担当。学生時代はずっとアートの勉強をしていました。アートから学んだことは「“それ”は全てではない」です。現在、上北沢で週末オープンのギャラリー Open Letter の企画運営もやっています。古い一軒家をDIYで改装した、展示と生活空間がゆるやかにつながった場所です。ぜひ遊びにいらしてください。

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