2020年08月

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水曜日の投稿

遠藤 真利奈
投稿者:遠藤 真利奈
(ライター)

2020年08月05日

違うことを想像する方向に自分を持っていく
「とえっくらじお」始まります【後編】

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遠藤 真利奈
投稿者:遠藤 真利奈(ライター)

徳島の自然スクールトエックで始まった「とえっくらじお」は、子育ての悩みや、教育現場での行き詰まりなどにラジオ形式で回答していくネットメディアです。7月に収録されたお試し配信のようすを、前後編に分けてお届けしています。

話し手は、トエックの代表・伊勢達郎さんと、スタッフのふなさん、ぷーさん。そしてゲストとして、機材や配信サポートをお手伝いしているモノサスの代表・林も参加しました。

前編では、両者の出会いやラジオが生まれたきっかけなど、思い出話に花を咲かせた4人。

後編となる今回は、リスナーから寄せられた質問に、応答していきます。

ふな
じゃあ、あと10分しかないんですけど、とえっくらじおのメインの質問コーナー、やっちゃおうかな。
伊勢
やろうやろう!
ふな
ラジオネーム、うーさんから寄せられました。所在地は日本で、40代の女性です。短い文章なんですけど、読み上げます。
「職場にわたしのやり方に納得いかない人がいる」
どう対応したらいいのかな、というご質問かな。
ぷー
自分のやり方に納得をしない人がいる、かぁ。うん、いるよねぇ。
ふな
ぷーさんも、「この人、自分のやり方に納得してないな」って感じることがある?
ぷー
もう、あるある。そういう人がいっぱいいると思う。
ふな
それはどんな感じ?
ぷー
不具合だったり、違和感だったり、ちょっと近づけないなって気持ちだったり。まず、その空気をまず感じるよね。
それで、自分に不具合があれば、なんか取り組む。たとえば「ちょっと私、いま気持ち悪いんだけど、あなたはどう思ってる?」って聞くとか。自分の心地いいように、時が来ればやるかな。
ふな
なるほど。達郎さん、何か言いたそうですが。
伊勢
言いたいよ。
一同
(笑)。言って、言って。
伊勢
まず、自分をどちらの方向に向けていくかってことが、決定的に大事だと思っているんだよね。
ここでいうと、「納得していない」人がいる。つまり一つは、納得してほしいという方向、強く言うと、自分の思い通りに相手を変えたいという方向にいくのか。
もう一つは、この「納得していない」人の、気持ちのいどころなり、思いをわかろうとするのか。
ふな
納得してほしいのか、わかろうとするのか。
伊勢
そう。まあ、他人の靴を履くということですよ。
納得するというのは、「わかるわかる!」って心情のイメージなんだけれど、教育とかお互いの関係性での「わかろうとする」というのは、それとは違う。
違う価値観や違う思いに、情動的に「わかるわかる!」って言うんじゃなくて、「全然わからない」「この人と自分は全然違う」ってことに、どれだけ想像力をもてるかってことです。
「この人は、こんな感じなんだ」って想像する方向に自分を持っていく。それってかなり想像力がいると思うんだよね。
ふな
それが、他人の靴を履く。
伊勢
そうそう。
この間、鷲田清一先生の言葉が朝日新聞に出てたんだけど。パスカルはね、ええっと、「最終的に人は権力とか、力に屈服する」と言ったんだって。
鷲田先生はこのパスカルの言葉を受けて、「ということは、最も小さかったり、弱いものの声を聞くことが自由だ」って。もう、痺れるでしょ!
一同
あはは(笑)。
伊勢
なので、「違うぞ!」とか「お前間違えてるぞ!」って声に、自分がどう反応するか、その場をどうつくるかって話なんじゃないかな。
ここまで、まるで自分がそれを完璧にできているかのような言い方をしているけど、僕はかなり筋金入りのお山の大将なので(笑)。でも、わかろうとする方向に、今もその途上には、気持ちがあるかな。
ふな
林さんは何かございますか。
難しいですけど、「やり方に納得しない人がいる」とおっしゃっているので、一つはきっと仕事のやり方が違うんだと思うんですよ。
ふな
私とあなたのやり方がね。
うん。仕事の方法論が違う。で、方法論が似ているとか違うって問題と、関係性が良い悪いって言うのは結構ごっちゃになりやすくて。
今回は、方法論が違うっていうのがスタート地点なんだろうなと。それは、仕事をしていく上では結構大事だなと思っていて、個人的には。
たとえばうちの会社も役員が3人いますけど、まったく方法論が違うわけです。あまりにも方法論が違うから、全然話しても擦り合わないというか、それに苦しんだ時もあって。
ふな
へえ、そうだったんだ。
で、もう10年以上前ですけど。副社長と僕が一対一で、自由が丘のカフェの、外の席で喋って。
「もう、何かあったら関係性を切るというか、一緒にやらないっていう選択肢について考えるのをもうやめよう」と。
ぷー
一緒にやらないってことを選ぶのは簡単よね。
いざとなったら関係性を切ることを念頭に入れた状態だと、もうね、頭の中で捨て台詞を想像するじゃないですか。「辞めてやる!」 とか、「お前やめろ!」とか「二度とやるか!」とか。でも、そこで切れちゃう。 
それはやめて、お互いに違うってところから話しませんか、って。そこからやっぱり進んだ部分はあって、たとえば自分が気づかないことに相手が気づいてくれることを知ったとか。
だから、方法論が違うというのは一つチャンスというか。
ぷー
強みになるよね。
うん。関係性が良いか悪いかというのは、そんなの偶然というか、しょうがないことだから。
関係性がよくて方法論も一緒の人としか仕事ができないのは、ちょっともったいないなって気はします。難しいんですけどね。だから、関係性をうまくいかせようということばかりに着目しなくて良いんじゃないの、って思う。
伊勢
僕もそう思うな。この方は、良い社長だなって思った。方法論のずれを軽視していないですよ。
今の話で思い出したんだけど、林さんたちが社員全員で、TOECに来てくれたことがあったよね。
ふな
そう、この農園にね、モノサスの社員60人くらいかな。タイからも来てくれて。
伊勢
そのときに、最初のつかみで、今どんな気分かっていうのを立ち位置で示そうって言ったんだよね。
もうどう考えても林さんは全員ここに連れて来たかったに決まっているんだけど、来たくなかった人もいるに決まっていると。で、それをあからさまにすることによって、活性化もするし、居場所ができると。
そしたらさっき林さんが言った、背中合わせの副社長が、真逆の、「全然来たくなかった」ってところに立ったんだよね。
そう、全然モチベーションありませんでしたよね(笑)。
伊勢
「なんでこんな田んぼの中で!」ってね。
僕は、これはもうよくぞ立ってくれた! と思って。その輪から外れることだってできるのに、ちゃんと「全然来たくなかった」って立ってくれて。マイクで喋らせたら、もう「林がああで、こうで」って。もうみんなドッカンドッカンで。
でもそれでみんな救われたと思うの。あれでいっぺんにその輪が、居場所としてちゃんと認められた感じがあって。
ぷー
この気持ち、言っていいんですか?って段階になるんだよね。
ふな
......はい、答えになっていたでしょうか。もう時間も差し迫っているので、これで一旦おしまいにしたいと思います。コメントが来てたり、ほかの質問もあったんだけど、全然そんな時間もなく、ごめんなさい。
みなさんからの質問は、引き続き募集しています。教育や子育てのこと以外にも、世の中のいろんなことや、みなさんが素朴に感じていることをお送りください。また私たちが応答していけたらと思っています。
この配信は、自然スクールトエックが、株式会社モノサスさんの多大なチャレンジ精神と遊び心の協力をいただきお送りいたしました。
では、また次回お会いしましょう。

トエックとモノサス。両者がやっていることは全然違うけれど、根っこでは通じ合っているのかも、と感じる1時間でした。

とえっくらじおは、この先も続いていきます。また、8月6日まで運営するための資金を募るクラウドファンディングも実施中。

ラジオが始まった経緯や、これから目指していきたいことについて紹介していますので、よければご覧になってみてください。

【8月6日まで】ほめない しからない 認める教育「トエック」が子育てや暮らしのヒントをネットラジオで発信します!

とえっくらじおのお試し配信その2は、facebookの動画配信でもご覧いただけます。

この投稿を書いた人

遠藤 真利奈

遠藤 真利奈(えんどう まりな)ライター

1995年生まれ。「日本仕事百貨」ライターのほか、いくつかの会社で便利屋さんのようなことをしています。東京、札幌、帯広を往復する日々です。

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