2018年08月

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木曜日の投稿

山内 真
投稿者:山内 真
(プランナー)

2018年08月02日

「暮らすようにはたらく」そのための、ものさすアプリをつくろう - 前編 -

私たちの仕事は、社会とつながっているか。

山内 真
投稿者:山内 真(プランナー)

こんにちは、プロデュース部の山内です。
久しぶりの投稿になりますが、この記事では、少し前からぼんやりと考えていた「モノサスらしい社内活動ってなんだろう」ということについて、自分の考えの整理も含めて、その構想(妄想)を書いていきたいと思います。

サークルや部活動、あとは社員旅行など、一般的に社内活動と呼ばれるものはたくさんあると思いますが、モノサスにおいて個人的にもユニークだなと思うものに「社内アプリ」があります。ただし、字義通りアプリケーションを開発する活動、というものではありません。昨年のものさす記事『居心地のよい場を自分たちでつくる。会社をカスタマイズする「アプリ」』にあるように、モノサスのアプリとは、「会社が制定する基本的なルールをOSと考え、社内での活動を便利に、楽しくしていく活動」のことを言います。

発案者である代表の林からこのアプリについての話を全体会議で聞いたときに、とてもいいコンセプトだな〜と思ったのですが、ここ最近のモノサスの組織体制やカルチャーの変化の中で、個人的に(ポジもネガも含めて)思うところがあり、いま、改めてこの「ものさすアプリ」をもっと活用していくタイミングなのでは?と思うようになりました。

ちょっと誰がいるのかよく分からない

昨年導入されたフルフレックス制度を始め、年始の大きな組織変更など、モノサスではいま、大きな変化のうねりがあるように感じます。私は入社して7年経ちますが、その7年の中でも、いまの動きは一番ドラスティックなものだと思っています。

個人的に一番ポジティブに思う点は、「ひとり一人における会社との関わり方の自由度が上がった」こと、端的に言うと、働き方のカスタマイズができるようになったこと。
反面、ネガに思う点は、個々のつながりが少し薄れてしまった、ということ。特に、他の部署や普段の仕事では関わりを持ちづらいメンバーとの関わりです。

私自身、ここ数年ずっとクライアント先に常駐しているというのもありますが(気づけば社歴の半分以上)、朝礼がなくなったことや、かつて毎月開催されていたモノサスバーのような社内イベントの機会が減ったこともあり、どの部署にどんな人がいて、何をやっていて、みたいなことがよく分からなくなってしまった。(私だけ...?)

会社の規模が急激に大きくなったこともありますが、もともと社内イベント等が好きなこともあり、やっぱり今の感じがなんだか寂しい。あとは、着実に変化しているモノサスの今後に、(私を含めて)みんなどういう関わり方をしていくんだろうか、それによって、モノサスという組織、というかみんなの集まりに、さらにどんな変化が生まれていくんだろうか、という全体像を、今の大きなうねりのタイミングでちゃんと感じておきたい、という個人的な関心があります。

そんなことを踏まえ、以前に比べて隣の顔がちょっと見えなくなったこの状況で、再び社内で縦横ななめにつながれる、そういった機会がもっとあればなあと。もちろん、このものさすサイトという場が、個々のメンバーの「今」を伝え、知ることができる場になっていますが、もっとダイレクトにつながって何か一緒にできないかと思ったり、モノサスバーのようなイベントも楽しいのだけど、せっかくなら、今のモノサスの変化の中で、みんなで一緒にうねりを大きくしたり、小さくてもいいから新しい別のうねりを作ったり、そうした機会になればいい。というか、したい。そうつらつらと考えてたときに思いついたのが、ものさすアプリ制度の活用、というわけです。


ものさすアプリ= みんなの好きなこと × できること

じゃあ、どんなかたちでものさすアプリ制度を活用するのがいいんだろう?
私が思う理想は、ものさすアプリ活動を通して、以下のことが実現できることだと思っています。

  1. 自分の好きなこと、興味のあること、やりたいことに取り組むことができる
  2. 自分のスキルを活かす、またはスキルを学ぶことができる
  3. 普段の仕事では関わりが少ない社内メンバーと部を超えてコラボレーションできる
     

一番大切なのは、やっぱり 1。今やっている仕事が 1 に該当するモノサスメンバーもいると思いますが、一般的には、「個人的に好きなこと」を「会社の仕事の場」で行うことはなかなか難しいのではないでしょうか。

例えば、私自身は、学生時代はずっと現代美術を学んでいて、今も個人活動としてギャラリーを週末に運営していますが、そうした活動を会社という組織に持ち込んで、クライアントワークに組み込んでいく、もしくは自社プロジェクトとして立ち上げていくということはできていないし、そもそもできないものだと思っていました。

なぜなら活動を通して組織にとって必要十分な利益を生み出すことができない、つまり事業化することができないと思っていたから。私に「プロジェクトを立ち上げて利益が出る事業に育て上げる」能力が残念ながら十分にないことも理由ですが、個人的な活動はあくまで個人的なもの、仕事は仕事、という、ある意味で「好きなことをあきらめていた」状態なのだと思います。

ものさすサイトでは、メンバーみんなが自分の好きなことや取り組んでいることについて、時に異様な熱量で(笑)語っています。(その最たる例 / 最新の例 / 空飛ぶ例)それってやっぱり読んでてグッとくるわけです。また、私はバディランチなどでモノサスのメンバーと話す機会があるとき、仕事の話よりも相手の趣味や興味のあることについていろいろと細かく聞いちゃうのが好きなのですが、やっぱりみんな、好きなことってすごく詳しいし、聞いててすごく面白いんですよね。仕事を真面目にこなしながら、その一方で、同じくらい、もしくはそれ以上真面目に好きなものがある。

だから、せっかくなら「趣味の範囲」に収めたままよりも、ものさすアプリという会社の「オフィシャルな」制度を活用して、人生の大半を過ごす「働く場所」に持ち込んでいってもいいんじゃないだろうか。そう思っています。ちょっと飛躍しますが、Googleの有名な社内活動に20%プロジェクトと呼ばれるものがあります。これは、勤務時間のうち20%を好きなことや企画に費やしていいというもので、Gmailはこのプロジェクトから生まれたと言われています。3M社のポストイットも同様の取り組みから誕生したと言われていますが、なんとなく私がイメージしているのはこういった、ある種の部活動とかラボ的な活動に近いのかもしれません。(例えのスケールがちょっと大きいですが)

そうした点において、「2. 自分のスキルを活かせる、もしくはアプリ活動を通して学ぶことができる」と、「3. 共通の好きなことを介して社内メンバーと部署を超えてつながる」が重要になってきます。

組織に属する意義のひとつに「チームでやる」があると思います。ひとりじゃできないこともチームでやれば動き出せる、実現できる、そういうことってたくさんあると思います。ましてやモノサスは制作会社。いろんな専門スキルをもった人がいるわけです。そして、みんな、仕事のスキル以外にも得意なことが絶対あるはず。ちなみに私の肩書はプランナーですが、イラストとくだらない4コマ漫画が得意です。(笑)そういう「普段は見えないみんなの得意なこと = 職能とは別のスキル」も見える化して、掛け算していければ面白いのではないかと。

メンバーどうしの交流、つながりについては、モノサスの主な仕事であるWeb制作では、プランニング → デザイン → 開発・コーディング → チェックというある程度の定型の流れがあります。極端に言うと、プランナーとコーダーが直接コミュニケーションできる機会ってそんなに多くありません。ましてや同じ案件に関わっていないと、バディランチなどの制度以外にほぼ話す機会はありません。少なくとも私たちのような常駐組にとっては皆無といっていいくらいです。

また、通常の案件では効率と品質を担保するために、体系だったチーム体制をつくりますが、ものさすアプリ活動におけるチームは、階層がなく、個と個が直接つながって、それが広がっていくイメージです。組織論でよく言われるツリー構造に対するリゾーム(根茎)構造です。さらにいうと、上司も部下も先輩も後輩も関係なく、礼儀はあるけど遠慮と忖度はゼロのしあわせな世界です。(笑)

「好きなこと」を共通項に、部署を超えて普段はつながらないメンバーが集まる。そしてそれぞれの知識やスキルや興味が交差してものごとがかたちになっていく(かたちにならなくても、少なくともトライはできる)。

ものさすサイトが、メンバーひとり一人の「個性」「好きなこと」「考えていること」を一人称で伝えていく場だとしたら、ものさすアプリは、その「私」をダイレクトに「共」につなげていく場かなと思います。「好き」をプロジェクト化する = 社内に、案件とは別のもうひとつのパブリックな場をつくる、そのことによって半ば固定化したコミュニケーションもシャッフルできる、とも言えるのではないでしょうか。

ちょっと抽象的な話が続いていますが、もう少しだけお付き合いください。


みんなの「日常」をブースト & リミックスする

少し話は逸れますが、みんな会社でも「好きなこと」をいろんな場面で意識的・無意識的にかかわらずアピールしていると思うんです。例えばデスクまわりのデコレーションだったり、並べてある本だったり、使っているガジェットだったり、履いてるスニーカーだったり、ものさす記事で紹介している好きな音楽だったり。みんなそれぞれのパーソナリティや属しているカルチャーがにじみ出ている。

それって、実はみんなの「日常」の一部だと思うんです。しかも日常における大切な部分。よく、「ワークライフバランス」の発展形として「ワークライフ インテグレーション」という言葉が使われますが、私にとっては、上で挙げたようなこともその一部のように感じています。(だってデスクが好きなもので囲まれていたらテンション上がるし or 落ち着くしその結果、生産性も上がるしアイデアも広がりますよね?笑)

そうした、仕事場に少しずつ、でも確実ににじみ出ているみんなの「日常」をもっとブーストしたい。そしてぐるっとかき混ぜたときに何が出てくるのか、出てこないのか、まあそこはやってみないと分からないのですが、とにかくこの大きくうねりだしているモノサスという場で、これまで生まれてこなかったものを、きれいな形でなくてもいいからつくってみたいですよね。こう書くと大げさに聞こえるかもしれませんが、ものさすアプリの素晴らしいところは「社内のオフィシャルな活動」に加えて「解釈と活用の幅が(ほぼ)無限大」ということだと思っているので、秘めた可能性は大きいのではと思っています。

暮らすようにはたらく。そのきっかけのひとつに

先に、ものさすアプリ活動によって「社内にもうひとつのパブリックな場をつくる」と書きましたが、言い換えると「自分の日常(好きなこと)を社内のパブリックな活動にしていく場」です。そこでは、モノサスのメンバーは、等しく「好きなこと・やりたいことを試せる」機会を持つことができ、ものさすアプリの「開発者」として、お互いにフラットに関わることができます。

「趣味のままで何が悪いのか」「仕事と暮らしは分けておきたい」と思う人もたくさんいるでしょうし、そうやって分けることで成り立つこともたくさんあると思います。けれども、ものさすサイトでのみんなの記事を読んだり、バディランチで意外な面を見たり、喫煙所でマニアックな会話を交わしたり、そういう「オフ」の部分にすごくリアリティを感じるのです。みんなの「日常」がにじみ出ているから。

だから、自分も含めて「オフ」を「オン」にしていきたい。「開けない箱はいつまでたっても開いてない箱だ」という言葉がありますが、自分の日常を思い切って仕事の場で開放することができれば、きっと見たことのない中身が現れるはず、です。そしてものさすアプリの育て方次第ですが、以下のような流れが結果として生まれるといいなあと妄想しています。

1. アプリ活動を記事化することで、ものさすサイトを通じて社内外に発信できる
 ↓
2. ものさすアプリでの活動が、普段の仕事にもいい影響を与える
 ↓
3. 社内だけでなく、社外の人にも興味をもってもらい参加してもらえる
 ↓
4. 発注/受注ではない関係で、組織を超えてプロジェクト化していける
 ↓
5. 「好きなこと」「自分の日常」から始まった活動が事業化する
(ものさすマイ・プロジェクト化)
 ↓
6. ものさすアプリの成長が、会社というOSを拡張していく

この流れはざっくりとした理想論なので、 3(社外の人が参加)→ 4(プロジェクト化)にはハードルがありますし、4(プロジェクト化)→ 5(活動が事業化)へ至るには、さらに大きな壁があると思います。

ただ、重要なのは、「モノサスが、自分のやりたい仕事を自分で作ることができる場になっていく」ということだと思うんです。自分のやりたい仕事を自分でつくる、それってもはや暮らすように働くことなんじゃないかと。ここまでくると、「好き」とか「やってみたい」だけでは当然無理ですが、そこに至るまでの過程の最初期を、とにかくトライしてみる、試してみる、ダメだったら次に移ってみる。そこにものさすアプリの意義と可能性があると思っています。

さて、前段が長くなりましたが、後編では、山内が考える「みんなでつくりたいものさすアプリ」のアイデアを紹介したいと思います!

この投稿を書いた人

山内 真

山内 真(やまうち しん)プランナー

愛媛→札幌→アイオワ→NY→東京。モノサスではWebプランニングを担当。週末は食い歩き担当。学生時代はずっとアートの勉強をしていました。アートから学んだことは「“それ”は全てではない」です。現在、渋谷で日曜だけのギャラリー Open Letter の企画運営もやっています。カム!

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